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神の下僕は世界を守りたい  作者: D沖信
世界再編
114/153

宝物3

神藤の屋敷前で黒姫と黒鴉の二人はゆっくりと車から降りる。

「もう帰宅しているのですか?」

「ええ、急な話で私も驚いたわ…」

黒鴉は携帯で神華とやり取りしながら深いため息をつく。

「神威の世界無くなって新資源使えなくなって怒られそうね…」

ゆっくりと玄関向かい父の待つであろう和室に向かう。

父の竜司が横になって二人を出迎える。

「お帰り、おや、黒姫もいるのか」

黒姫は礼儀正しくお辞儀をし、黒鴉は急いで携帯をポケットに入れてから二人で正座して座る。

ポケットに入れた時に音声通話が入り別室で事務作業をリモートでやっていた神華が怪訝な顔をしながら通話に出るが聞こえてきた声に驚きすぐミュートにして聞き耳を立てる。

「機械達の侵攻が来なくなって新素材について色々と文句が出てきていてなぁ、ほらウチが殆ど独占しちゃってるだろ?」

「そ、そうですね…あはは転売しちゃいます?」

黒鴉が加工技術の確立していないオリハルコンを勢いで転売するかと口にして竜司が大笑いする。

「イイね、どうせ使いこなせないだろうし残り少ないんだろ?」

「父さんも姉さんも魔石と同じで扱いに気を付けてください…異界の素材ですよ?」

「異界か、興味はあるんだがなぁ」

扇子を開いて扇ぎながら何か考え事をする。

別室で話を聞いていた神華は恐怖する。

(どうして気付かなかったの…この声…)

「黒鴉、通話が何処かに繋がっているみたいだけど?」

竜司の言葉に驚き携帯を確認してすぐに神華との通話を切る。

「あはは、ごめんなさいポケット入れた時に誤操作しちゃったみたい」

「良くないな、どこの部屋かな?」

「え?」

耳の良い父に驚きながら黒鴉が通話先を誤魔化そうとする。

(黒姫もいるし神華生きてるの知られたらややこしくなりそう…荻原辺りに押し付けようかしら)

そう考えていると黒鴉に神華からメッセージが入る。

「逃げて」その文字に頭の中が真っ白になる。

「姉さん?」

黒姫が顔面蒼白になっている黒鴉を心配そうに見つめる。

「黒鴉、お友達はなんて?」

生唾を飲み込み状況の整理をしようとする前に震える手から携帯を落とす。

黒姫がすぐに拾い画面を見てしまう。

「…え?」

携帯と父と黒鴉を順に見て黒姫も固まる。

黒鴉は一つの結論に至ってバハムートを呼び出してすかさず構える。

「貴方は誰!お父様はどこ!」

竜司は高笑いして姿勢をそのままに答える。

「二人の父親さ、変わらない…お前達のお友達と同じという所だがな」

「神…!?父さんを乗っ取ったの!?」

黒姫の言葉に少し考えてから答える。

「わたしは神の父でありお前達の父さ、武器を下げるんだ」

「え!?じゃあ私達って神鳴達と同じなの!?」

「…いや、うん、まぁそういうことでいいや」

なげやりな態度に緊張していた黒鴉がガクッとする。

「じゃあどうして…」

黒姫が理由を言う前に神華が部屋に飛び込んでくる。

「黒鴉様!ソイツは…!」

「神田…いや神華じゃあないか、あれ?死んでたんじゃないのか?」

「白々しい…!」

戦う術も持たず震える手足で黒姫と黒鴉より前に出て二人に伝える。

「二人は逃げて…コイツが全ての黒幕、兄妹を争わせた元凶!」

「酷いな、元々わたしの世界欲しさに喧嘩したお前達が悪いんじゃないか」

「神楽姉さんと神威兄さんを焚き付けた癖に!」

二人を立たせ後ろに下がらせる。

「せっかく拾った命を粗末にするな、お前達の集めた鍵さえ寄越せば何もしないさ」

扇子をピシャッと閉じて神華を睨む。

「…逃げるわよ黒姫」

黒鴉がいち早く黒姫の記憶を奪われる事を懸念して提案する。

「元気がいいな、次会う時までに鍵集めて持ってきてくれよ?」

神華含めて三人が去るのを余裕な表情で見送る。

「追いかけないから気を付けて行ってくるんだぞー、ははは」

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