チーム結成
両手いっぱいに荷物を持ちながら夕方に帰宅した翔と黒姫を見て神鳴が怪訝な顔をする。
「買いすぎじゃない?」
「楽しくてつい…」
「そう、まぁいいわ、翔に客人来てるわよ」
「俺に?誰だろう」
リビングで待ってたのはアキトだった。
「よう、両手に花だな、元気だったか?」
「…生きてたのか」
「嫌そうな顔するなよ、氷雨の様子見に来ただけだから」
アキトの手元に刀が出て刀身を確認する。小さくデフォルメされた氷雨が出て来てアキトにあかんべーとする。
「俺も嫌われたな、武器は精霊の魂維持するのに重要だから折れやすい刀は丁寧に使えよ?」
玉藻前の攻撃をモロに受けた焰鬼を心配する。
「兎に角元気そうで良かった、んじゃ俺は神楽に報告してくるから」
アキトは物置の扉を開き中に入っていく。
「物置直ってねえ!神鳴ぃ!」
「様子見に来ただけ…?本当に?」
黒姫が神鳴と扉越しに二人の会話を聞いて怪しんでいた。
「どんな意図があろうとどうせ姉さんの差し金よ、妹は辛いわ」
「今は妹は関係ないけど…気持ちはわかります」
二人は妹という立場で意気投合する。
「二人とも何してんだ?アキトさん帰ったから晩飯にしよう、あと神鳴物置直せって」
「嫌よ、せっかく客人来れるようになったんだから楽しみましょう」
「…夜中とかに来られたら困るだろ、あと不在時」
「わかったわよ、就寝時と不在時は閉じるわよ」
「閉じようと思えば閉じれるんですね…」
晩飯時に神鳴が提案をする。
「退魔士として私達でチーム組まない?」
「神鳴戦えないんじゃ…?」
「そもそも退魔士って神鳴が考えていたのであって神藤のとこでは覚醒者とかなんとか…」
「ああ!?文句ある?チーム名でそうすればいいじゃない!」
戦えない事ははぐらかしながらチームを結成することになる。
「一対一なら黒姫強すぎて仕事がないんだよな」
「昨日みたいに玉藻前のような複数相手は私無理なので…」
「そうか、武器もナイフだし近接は無理だもんな」
「…遠距離とサポートが欲しいわね」
神鳴が考えスカウトをしようと提案すると黒姫が拒否する。
「雇えるほど資金無いので…ダメですよ」
「…すかんピンにしたのはどこの誰だよ」
「ごめんなさい、でも皆でお財布共有してる翔君と違って外の人を入れるわけには…」
翔も神鳴も腕を組み悩む。
「まぁ仕方ないか、今は二人で頑張るか」
「三人!私も頑張るわ」
「昔を思い出しますね、頑張りましょう」
こうして正式にチームを結成することになった。