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記憶は輪廻から外れる。  作者: *ラズ×ベリー*
陽藍の✻章✻
27/50

✾友美✾ 〚 Ⅱ 〛

 「で、君等はーーなんで、『居・る』の・かな? 柊君、卓眞君?」


 仕事を終えて、買い物に回ろうと、裏の搬入口から一旦『外』に出た友美は、その横でドリンクを飲みながら『待って』いたーー此のふたりと『遭遇った』。


 「いや、友美サンの終わり時間教えてもらって……ちゃんとシュウが『身内』だって、教えたよ?」



 卓眞 まことが言う。友美は呆れて腕組みする。『誰か』を思い出すが、かき消す。


 「ーーーーー『まこと』君?」


 友美はなるべく、『笑顔』で言った。卓眞 真は、何故か名前で呼んでやると、素直に『言う事』を聞くのだーー昔から。呼び慣れないので、照れ臭いのだろと友美は考えていた。


 全く違うのだが。



 「うっ、ごめんなさい。ほらシュウも」と、謝った卓眞は、柊の事も促した。


 友美はにこりと笑い、その卓眞 真を手招きした。つられて真は友美へと近付いた。ぺちり。



 ほっぺたにひりっとした、やや冷たい感触。友美の細い手、指が、頬に触れた。初め、意味が理解らなかった。友美が笑顔だったので、余計に。手だと思ったので、確かめる様に、握った。



 面食らったのは友美の方だった。柊が慌てたが、呆れた振りをして、阻止した。


 『何やってんだ』と。危なかったと柊一は思った。距離が近過ぎた。



 義理の叔母友美を、柊一は『魔性の女』だと思っていた。気付いたのは、大分遅かったのだが。


 子供だった柊一は、友美の事を好きなのは、『自分だけ』だと思っていた。『男として』だ。


 父親は、義理でも『兄』だ。『男』には、ならない。弟は未だ小さい。早く大人に成って、友美を一生守るのだと、子供ながらに真剣に『想って』在たーー間違いなく。



 なのに、ある日急に、『高月 陽藍』と言う名の男が表れて、友美と『結婚』すると言い出した。


 そのふざけた男とは結局『駄目』で、こうやって、『帰って』来たらしいーー



 だから言ったのに。俺が。あんな超絶『イケメン』、本気な訳ないだろ、おまえにさ。



 友美は馬鹿だよな。もうちょっと『待ってろ』。ガキじゃなくなったら、『幸せ』に、してやるよ。すぐだからな。





 べちっ、っん。








 …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………、…………え?




 額が、痛かった。





 見ると友美に額をなぐられた様だった。柊一は言った。我に帰って。





 『ーーなにやってんの?』とーーーーーー




 友人、卓眞 真は堪え切れず笑っていた。………………………………いてぇ




 地味に痛かった。




  ✾  ✾


 「まったくさあ、仕事の邪魔しに来て。」


 「シュウはごはん『要らない』訳?」


 「ねえ〜『ケイ』ちゃん。おにいちゃん『ダメ』だよね〜ほたるちゃんはお利口にお留守番出来てるのにねえ〜。」


 「ともみ。おれ、『偉い?』にいちゃんより『大人?』」


 と、大村 ほたるは、何処で覚えたのか? とても生意気な台詞を言っていた。五歳で在る。可愛い盛りだ。


 『ねえ〜偉いね〜さすが蛍君。大人。』と、友美が機嫌良く返していて、大村 柊一は犯人を突き止めた。



 間違い無い。あの『カレー』を作ってる『ヤツ』が、『犯人』だと。子供に変な事教えるなよ?と、思いながら。



 友美は手抜きーーいや、手早くカレーを作ると、手抜きーーいや、簡単にサラダを盛って、『柊居るなら、帰るね』と、言って、足早に帰ってしまった。おとうとが残念そうにしていたがーー未だ、『母』が、恋しいのだろうと思った。また友美も『一緒』に『暮らせば』いいのにと。



  ✻  ✻




 「そうですか………ご迷惑お掛けして…………申し訳ありませんでした。もう暫く、『宜しく』お願いします……………あ、『此れ』すみません、どうか『お義兄さん』から、友美へ………お願いします。お義兄さんからなら、彼女も『油断』して、受け取るでしょうから。華月からでは『駄目』でしたので。宜しくお願いします。お義兄さん。」



 そう言って高月 陽藍は、義兄、大村 義樹へ深々と頭を下げていた。と或る『喫茶店』にて。



 友美は行き成り横浜に逃げて来た訳では無かった。先ず『軍資金』が無かったのだろう。


 陽藍から『預かった』カード類は、持って出なかった。最低限の手荷物、着の身着のままに近かった。それで『先ず』は、友人 柚野塚ゆのつか 唯華ユカの伯母の家に、『避難』した。其処が『華月』家で在る。金が貯まる迄、世話に為ろうと考えたのだ。部屋を『間借り』させて貰おうと。つまり、『昔』の様に。



 華月家は、横浜から引っ越した唯華が、その後友美が『ストーカー』被害が絶えないと知り、友美の義兄、義樹に申し出て、東京の親戚で在る其処への『避難』を、提案したのだ。


 華月家は広い。そして古い家柄で、セキュリティもしっかりしている。友美の隠れ家に『丁度良いのでは?』と。


 『内弟子を沢山住まわせて居るので、友美ひとり位、問題無い』と。つまり陽藍の読み通りだった。


 陽藍が渡仏して、三ヶ月目、友美は家出した。その後の一ヶ月間、華月家に『隠れて』いたーー


 本当は友美は、華月のおばさまに、『又ストーカーが……』と、『少し』嘘を付いた。


 正確には、『ストーカー』と『ようせい』から逃げている。ストーカーにされた『仕打ち』を、陽藍に『知られたく』無いーーだけで。


 けれど陽藍は『もう』知って在た。『読み』を、華月のおばさまに話したのだ。華月のおばさまは、陽藍に事実を『教え』た。それが真相だった。ーーーーー


 逃げ込んだ友美が、ストーカーを理由にしたので、友美の誤算で、友美は暫く『外』に『出して』貰えなかったーーが、其れの真相が、『陽藍の策略』だと、未だ此の時、彼女は何も知らない。華月家の面々の『演技』は素晴らしかったので。仕方が無い。友美が悪い。



 華月家の『面々』は、此の場合『陽藍の』味方だった。皆彼女に『幸せ』に成って欲しかったので在る。



 元々、友美と陽藍に、此の『やり手』のおばさまの『手』で、ふたりの『縁談話』が実在した事はーー何も聞いていなかった『友美』は全く知らなかった事も、又、事実だ。



 纏まる『前』に、陽藍が留学したので、たち消えていた事等はーーーー



 初めから『袋』に入って居た事等、友美は全く知らない。『鼠』だとはーー




 『ストーカーが東京に居る事、突き止めてるなら、此処も危ないわねえ。お義兄さんを頼ったら? 大丈夫よ、生活費送ってあげるわ。人も連れて行く? 護衛に。』


 華月のおばさまは言った。友美は気が引ける。又、逃げる様に、華月家を『出た』。礼だけ言って。


 やはり後は『義兄あに』を頼るより他無かった。昔の様に。



 『私、成長してない』ーーと。




  ✻  ✻



 「うんーー渡しておくよ。しかし『凄い』ね……………陽藍君は………………『読み』通りだね……………我が『妹』ながら………………………………友美のヤツ…………………………こちらこそ申し訳無い…………………不出来な『妹』で……………………見捨てないでやってね? 彼奴ね、『悪気』だけは、無いんだよ………………ごめんね陽藍君……。」



 大村 義樹は、義弟に頭を下げた。義弟が不意に笑い出す。顔を上げると、


 「はは『だけ』って、お義兄さん。後無いんですか? 『贔屓目』ですよ。 シスコンですね。と、失礼。つい。」


 と、義弟は言った。



 大村 義樹は、彼ーー目の前の『イケメン』の笑いの『ツボ』が理解らないなーーと、場違いに思った。



 『おたくら、離婚の危機とか無いの??』と。




 暫く置いてくれと、『帰って』来た『妹』も、こんな『感じ』で、『暢気』だった。




 『豚肉安い日』だから今日『カレー』かもなあ〜と考えながらだった『義兄あに』も、同等で在ろうが。ーーーーーーーーー




  ✾  ✾

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