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関空物語  作者: 銀の筆
3/5

2.もう一つの目的


 夢は自分勝手にならないが、妄想は違う。自分でどうにでもできる。

 一層のこと


 「妄想の世界で生きたい!」


 (あれ、寝言か)


 俺は、妄想している夢をみていて、寝言と一緒に夢から目が覚めた。


 「ぬぬ。」


 「あ、ヨダレ」


 夢か、なんだか変な夢を見たものだ。夢の中でも妄想してたな。


 「ふふっ」


 笑うしかないな。


 「あっ!」


 今日は、計画実行の日だ。

 大阪で、昼飯を食った後、ネット上で知り合った遠距離の彼女と会うのだ。


 「ぬっふっふ」


 彼女の名前は明美、送られてきた写真は、アーモンド形の目と小さな小鼻。髪は茶色に近く胸に届くくらいの長さの美人だった。俺の好みの顔だ。そして、彼女のあだ名を『ジュテーム』と勝手につけて、妄想の時はそのあだ名を呼んでいる。『ジュテーム』は、フランス語で『私は君を愛している』という意味らしいが、俺はただジュテームと言ったときの響きほうが明美より妄想が国際的になるんじゃないかというバカな思いつきだけでそのあだ名を考えた。


 その美人と出会ってから1年半位、付き合っているといってもネットと電話だけだが。

これが、この計画の本当の楽しみだ。


 「ぶわっはっはっはっは」


 「あ、ヨダレ」


 ひょっとして、彼女と会ってそのままお泊り、なんて事にならないとも限らない。俺の妄想は今日も朝から全開だ。

 ただ、気になるのは、台風の影響だ。昨日の天気予報では、午後から台風が北海道へ上陸しそうなことを放送していたが、東の窓から入る日差しは、台風なんかを全く感じさせない。


 (よし、天気は大丈夫だな)


 俺はこの時、この台風のおかげで人生で初めての貴重な経験をするとは、思ってもいなかった。



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