#96 おっさんたち、中ボスと対峙す?
/* 前回のあらすじ */
おっさん、指差呼称で危険確認をアルトに仕込む。
おっさん、天国と地獄、うめぼしの刑に処される。
おっさん、中ボスの部屋に到達す?
/* あらすじここまで */
はじだん3Fの攻略も順調に進み、後数部屋で4Fに上がれるところまで来た一行を阻むは一枚の扉、いや、実際に阻んでいるわけではなく、精神的に思わず止まっただけなのですが。
「凄い中ボスの部屋っぽい扉ですね」
「何故わざわざ言い直したのかは解らんが、その通りだワカダンナ」
「以前来たときには、防御力低めのミノタウルスが居たな」
「恐らく、低レベルの冒険者でも倒せる様に忖度がなされていたのだろう」
「どこの世界にも気遣いは必要なんですね」
「ああそうなのだろうな。 だが、防御力が低いとは言えその攻撃力自体は変わらない」
「気を抜くと死ぬ事もあるのだから残心を忘れない事だ」
「ザンシン、ってナンなのです???」
「例え敵を倒したと思っていても確実にその死を確認するまでは攻撃する態勢を維持すると言う武道の心得の事だ、実際に他の事にも役に立つ教えだ。 アルト、覚えておくと良い」
「ワカったのです! ザンシン、ヨシ!」
何かが違う気がしないでもないが、やっている事は概ね間違っていない為訂正し辛いアーリアとおっさん。
悪い事ではないので、取り敢えず流して中ボス部屋を開けるおっさん、開けたその先に広がっていたのは……闇?
「アーリア、前回もこんな感じだったの?」
「いや、普通に他の通路と同様に光りが灯っておりミノタウロス(弱)が居ただけだな。 注意しろワカダン……!?」
アーリアが注意を促したところで、急にスポットライトが部屋の中央を照らす、その中央に燦然と現れたのは、確かにミノタウロスであった、それは間違いない。
ただし、黒くテラッテラに光っている予想よりも遥かにマッシヴーなミノタウロスがいわゆるフロントラットスプレッドと言うボディビルのポージングの一つ、両腕を体の前でくっと曲げてひし形を作る例のポーズでニカッと言う表情と効果音と共に現れたのだった。
思わず、そっと見なかった事にして扉を閉じたおっさん。
中を見てしまった者たちと目を見合わせるが、皆一様に同じ物を見てしまったらしく、言葉が出ない。
不意に視覚に対しての衝撃的な攻撃を受けた一行はSAN値が1D6減少する羽目となった。




