#60 おっさんたち、話を聞く2。
/* 前回のあらすじ */
おっさん、アーリアの過去話中は空気。
おっさん、ジゼルの命運を嘆く。
おっさん、ヒーロー登場の引きに歓喜。
/* あらすじここまで */
突如空から舞い降りし黒い影は、ジゼルに迫りし魔物を一刀の元屠る。
ベテラン冒険者でも手こずるブラッククマーンを一撃必殺させられる点から見ても、最低でも達人、下手したら超人冒険者レベルの実力があるのかも知れない。
「おい、ダイジョウブか?」
そう言って振り返った影、年の頃は20前後だろうか。
黒髪長髪ストレートで切れ長の金色の瞳が鋭いがっしりとしたムキムキ体型の美青年だった。
強い+格好良い+ムッキムキとジゼルの好みが三拍子揃った王子様が窮地を救ってくれたのだ、ジゼルが一目惚れしてしまうのも仕方が無いだろう。
「うっ、どくがまだ……ごめんなさい、小屋の中まで付き合って貰えますか?」
急にしおらしい態度を取り始めるジゼル、王子様に肩を貸して貰い小屋の中へと入る。
王子様に解毒・治療してもらう為に身に付けているモノを外し始めるも、ジゼルは肌を見せるのを躊躇する、が、そんなバアイではないだろうと王子様に促され、急の泊まり用に置いてあった毛布の上で一糸纏わぬ姿となる。
恥ずかしさの余り赤面し、そっぽを向くジゼルを他所に、解毒・治療を続ける王子様。
処置が終わり、若干顔の赤い王子様が一息ついたところで、おもむろにジゼルはこう言った。
「助けていただきありがとうございます、貴方は命の恩人です」
「命からがら逃げてきた為、お渡しできるような物はこの身一つしかありません」
「救っていただいたのに大変お伝えしにくいのですが……里の掟で、婚姻してない女が夫となる男性以外の前で肌を見せると言うのは死よりも思い罪なのです(よよよ)」
「夫になって欲しい、とまでは言いません。せめて、そうせめて」
「寵愛を……お情け、戴けませんか?(上に毛布を羽織っただけで上目遣いちらり)」
……朝までめっちゃ寵愛をいただけました。




