#05 おっさん、取り敢えず感謝する。
/* 前回のあらすじ */
おっさんふざける
おっさんえびちりの刑に処される
おっさん正座する
/* あらすじここまで */
普通に石の転がっている地面に正座するおっさん、神様からのメッセージをようやく開く。
【えーっと、伊紗歌慧くん、だったっけ?】
【ようこそ私の世界へ、歓迎するよ】
【きみを喚んだのは他でもない、私の世界に必要だったからだ】
【まあ、きみでなくても良かったのだが、適性があり孤独で居なくなっても問題が無い人間の中から偶然選ばれたのがきみだったのだよ】
【私の世界には、音楽が栄えてないのだ】
【決して、私が音痴だからではないぞ? 本当だぞ?】
【人々はほぼ、何かに呪われているのかの如く音痴なのだ】
【そのために、曲もあるにはあるのだが、空き地で行われるリサイタルかバイオリンの演奏の様な騒音しか出すことが出来ず、誰もしようとしない】
【状況を変えるために、1000年前にも適正のある日本人を拉……喚んだのだが、それがいけなかった】
【きみの目の前に居る精霊たち、が、私の補佐として世界を回しているのだが、音楽に傾倒してしまい、音楽のない生活はもう嫌だ!NO MUSIC, NO LIFE!とストライキを始めたのだ】
【私の仕事が増えるのがイヤ、もとい、使用者の義務として仕方なくきみを喚んだわけなのだよ】
【なお、元の世界のきみは心筋梗塞で既に死んでいるので心置きなく私の世界を楽しんでくれ】
【そうそう、アフターフォローとして、元の世界の秘蔵物は然るべき手段をもって処理しておいたので安心したまえ】
「色々言いたい事はあるけど! 取り敢えずは、秘蔵コレクションの処理をありがとう神様!!!」