#03 おっさん、囁かれる。
/* 前回のあらすじ */
おっさん悶える
おっさん歌う
おっさん囁かれる
/* あらすじここまで */
―――――もっと歌って―――――
おっさんの耳には、確かにそう聞こえた。
おっさんが少し落ちついてみると、その何かからは害意の様なものは感じられないことが解る。
それどころか期待の眼差しのようなものを向けられている気もする。
むしろ、エサを前に待て!を掛けられた犬の如き雰囲気の方が近いだろうか?
若干その気配に引き気味のおっさんだが、ぼっちで寂しかった事もあり嬉々として『手のひらを太陽に』を歌い直す。
『~~~~~~♪ ~~~~~~ ~~~~~~~♪』
最後まで歌いきったおっさん。
何かこう、やりきった感のあるおっさん。
熱唱しきって思わず「Thank you !!!」とか言い始めるおっさん。
そんなおっさんの目の前には
色とりどりの小人さんたちが浮いていた。
おっさん心底びっくりするも、異世界だからそんなんもあるよね?と、こんな時だけ鋼メンタルを発揮しSAN値チェックを華麗に回避。
先ほど、話しかけてきたと思しき一際大きい小人さんが綺麗なアルトで話しかけてくる。
[こんにちわ担い手様、ようこそこちらの世界へ]
[もうお気付きだとは思いますが、今居る世界は担い手様が居た世界とは別の世界です]
[まずは、担い手様を喚ばれた神様からのメッセージを見て下さい]
そう小人さんが言うや否や、おっさんの目の前にはゲーム画面のウィンドウの様な物が広がった。