#02 おっさん、気付く。
/* 前回のあらすじ */
おっさん起きる
おっさんSAN値チェック
おっさん気付く
/* あらすじここまで */
「太陽が……2個、ある……?」
おっさんはようやく太陽が2個あることに気が付く。
「もしかして:異世界転移……?」
「うわっ……俺、超ベタな展開してる?!」
「もし異世界転移とかなら、何らかのアクションがあるはずなんだ……けど」
「何かちぃと能力とか貰えるのかな???」
おっさん、大喜びするも特にイベントが発生しないため急に恥ずかしくなり悶え始める。
ひとしきり悶え切った後、ここに居ても仕方が無いおっさんは行動へと移る。
「ベタだが、道に迷った時はこれに限るよな」
おっさんはその辺に落ちていた枝を拾い、垂直に立てて手を離す。
枝は何か不自然な動きをして、太陽の進む方向へと倒れる。
訝しげにしつつも素直に倒れた方向へと進むおっさん。
獣道をおっさんが進むこと1時間、いまだ景色に変化は無い。
何かの気配が森から常に感じられるため、おっさんのSAN値が次第に減少していく。
心細くなったおっさん、ついには『手のひらを太陽に』を大きな声で歌いだす。
『~~~~~~~ ~~~~~♪ ~~ ~ ~~~~ ~~~~~♪』
1番を歌いきり、人心地ついた所で、おっさんは周りの状況が変化したことに気づく。
何かが周りにいっぱい居る。
明らかに何かが周りにいっぱい居るのだ。
ビックリして歌うのをやめてしまうおっさん。
けれども状況は変わらず何かが周りにいっぱい居る。
SAN値が目に見えて減っているかの如く白くなるおっさん。
その時、一際大きな何かがこう囁いた様に聞こえた。
―――――もっと歌って―――――
と。