#26 おっさん、冒険へと旅立つ。
/* 前回のあらすじ */
おっさん道具屋へ
おっさんと処世術
おっさんほぼ無一文
/* あらすじここまで */
おば……おねえさんに値切って貰って袋と札(高級め)を手に入れたおっさん。
ほぼ、無一文の為、稼がねばならない。
各種薬効のある草(略して薬草)の採取と、ウサウサの狩猟依頼をこなす事となるので、町の外へと向かう。
兵士へ青札を見せ、出町手続きを済ませる。
なお、今度町へ入る際は青札を見せることで入町税を免除して貰える。
何度も出入する冒険者たちが、入町税を払いたくないがために別の町に流出するのを防ぐ為だ。
また、冒険者たちは基本刹那的に生きている為、町ナカでお金を落として貰った方が効率が良いということもある。
無一文 (ほぼ)のおっさんには非常にありがたいシステムである。
エルの指示の元、即街道から外れ南の森へと分け入って行くおっさん。
ある程度、人気が無くなった所でエルが先程買った札(高級め)を要求してくる。
[そろそろ、人目もつきませんし問題ないでしょう]
[担い手様、先程買われたお札を貸してください]
袋からお札を取り出し、エルに渡すおっさん。
[それでは担い手様、時間を超越せし不可思議空間を操る人と似て異なるモノの歌をお願いします]
いきなり言われて首をかしげるおっさん。
[青いアレです、国民的な狸っぽいねk]
「それ以上はいけない!」
慌てて続きを遮るおっさん。
良く解っていないのか解っていてワザとなのか読みきれないエル。
おっさん、言われた通りに名前を出してはいけない『例の歌』を歌い始める。
『~~~~~~~~♪~~~~~~~♪』
[これから、お札に空間拡張系の術式を焼き付けます]
[お札の容量的に厳しいかも知れませんので、術式の最適化と圧縮の為少々時間がかかります]
[ですので担い手様。 頑張って歌ってくださいね?]
何やら思惑のありそうな微笑をこちらに向けつつそう言うエル。
結局この後、おっさんの意識が空を自由に飛びそうになるくらい歌わされるのであった。




