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夏生詩集3

言葉弔い

作者: 夏生


言葉になれなかったものが

体から追い出されていく

怒りの言葉になる予定だった

責める言葉になる予定だったもの


排水溝に吸い込まれてゆく

絞り出すときのあがきの音が

気道中をひっかきまわす

もっと言葉を

込み上げた思いに命を宿せる

言葉を見つけなければ


憤りが気道をのたうち

絡まりながら上って

落下してゆく

まだあるまだ出る

歯みがき粉のチューブを

平たくなるまでつぶして

押し出すように

粘り強くシツコク

追い出しにかかる


何もなれなかったものは

ヤマイダレと炎合わせた文字で

皆同じ名前で呼ばれるものになった





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― 新着の感想 ―
[良い点] 「絞り出すときのあがきの音が気道中をひっかきまわす」という表現が、いかにもその時の喉の感覚までよみがえるようでした。 [気になる点] 歯磨き粉のチューブを比喩として引用されたところを読んで…
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