プロローグ
ー今は昔のことです
その国には類い稀なる獣人の子がいました
その獣人は他の仲間達とは容姿も、知性も、能力も、
…そう、全てが異なりました
その類い稀なる獣人の子のことを不死鳥の子と崇めました
その国では不死鳥を神として崇めていたのです
不死鳥の子は、生まれてからすぐに様々な発見をしました
その発見は、不死鳥の子による大きな努力により成し得たことでしたが、大人達はそのことを知りません
…知ろうともしないのです
不死鳥の子が再び新たな発見をしたとしても、
「さすがは不死鳥の子だ!我々とは全然違う」と天性の才能と思い込み、その努力に気付きもせずにそう言い、またあるものは
「また、あの『不死鳥の子』か?…アイツのせいで我々の努力は報われない!」と言い、不死鳥の子を恨みました
今まで頑張って来た努力は無駄にはなりません
全て、その人の力になるのです
不死鳥の子は、全てを知っていました
世界の始まりから世界の終わりのことまでの全てを…
歳月が過ぎ、不死鳥の子は美しい青年の姿になりました
幼いころから見つけてきた様々な発見を考えるとそれは素晴らしい結果を残しているのだろう、と思いますが、それは違いました
ある日突然不死鳥の子は何も話さず、何もしないようになりました
そして、三年の時が流れた日の夕刻、不死鳥の子は川へ身を投げ、その命を散らしてしまいました
そのことを知った人のなかで、不死鳥の子の為に涙を溢す人は一人としていませんでした…ー
シャスフィリア『不死鳥の子』より




