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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第六話 『ほうとう杯(前編)』
99/206

第六話 011

夏「えいやああ!!」

   ――始めの合図とともに右中段蹴り(引き足あり)を決める。

お花見のみんな「やった!!」

   ――副審4人が赤い旗を真横90度にサッと上げる。

主審「止め!! 赤、中段蹴り、技有り!!」

   ――デジタルスコアボードの夏の点数が2になる。

   盛り上がる観客たち。

加奈「夏先輩やりましたね!? いきなり2ポイントですよ!?」

音葉「うん!! 出だしから思いっきり行くって決めてたのかも」

春香「あの計画性の無いなっちゃんが……」

北川「いい判断だ。浅井は洞察力が鋭い、だからあいつが考える前に畳み込めば、そこまで怖い相手ではないはずだ」

記者A「負けたらもう後が無い大将戦で、いきなり飛び込みましたね?」

編集長「しかもあの浅井が反応できなかった」

 「(手帳の夏のスケッチを見て)立花……夏か」

   ――開始位置で輪受けをしている夏と浅井。

浅井М「前よりもスピードが上がっている……。ちょーっと油断しちゃったー」

主審「続けて、始め!!」

浅井М「でも今度は――」

   と、左構えでステップを踏んだ瞬間に、夏がふところへ入ってくる。

浅井М「ちょっ!?」

夏「えいあああ!!」

   と、高速上段突きを決めて。

野宮「よっしゃああ!!」

   ――盛り上がる観客たち。

主審「止め!! 赤、上段突き、有効!!」

   ――スコアボードの夏の点数が3になる。

編集長「まただ……あの浅井を勢いで圧倒している。次に何を出してくるのか、見ているこちらにも全く予想ができない」

記者A「……編集長」

編集長「何だ?」

記者A「俺、撮りたいものが決まりました……」

編集長「俺もいま同じ気持ちだ」

大木「よっし、浅井から3点のリード!!」

真中「いけますよこの試合!!」

南妹「がんばれ立花先輩!!」

   ――開始位置で輪受けをしている夏と浅井。

夏М「いける!! 前に戦った時に気付いたけど、浅井はこっちが考えれば考えるほどその裏を狙ってくる」

主審「続けて、始め!!」

夏М「このまま押し切れば――」

   と、左の刻み突きで突っ込んで。

浅井М「調子に……」

   夏の刻み突きを左手で押さえる浅井。

浅井М「のるなああああ!!」

   と、顔面に逆突き(引き手あり)。

   浅井の拳がメンホーに当たり、一瞬よろける夏。

[驚いたみんなの表情]

北川「(副審を見て)今のは!?」

   ――胸の前で青の旗を前に×にしている副審たち。

主審「やめ!! 青、忠告!!」

   ――浅井のC1(ウォーニングのカテゴリー1)が1になる。

編集長「さすが浅井。ウォーニングになったものの、もう立花のスピードに慣れたか」

記者A「(写真を撮りながら)これで立花の動きが止まらなければいいんですが……」

編集長「(うなずいて)浅井の強さは鋭い洞察力に加えて、相手のペースを乱すズル賢さにある」

 「ここからどう動く立花……」

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