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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第六話 『ほうとう杯(前編)』
97/206

第六話 009

恵介「よーし二回戦、都留我【つるが】高等学校との試合は、先鋒 南、次鋒 野宮、中堅 大木、副将 真中、大将 夏、以上だ」

みんな「はい!!」

恵介「ここからは3勝したチームの勝利だ。忘れるなよ、あくまで目標はほうとう杯優勝だ」

 「合宿とその後の厳しい練習を乗り越えてきたお前らなら、必ず出来る!!」

みんな「はい!!」

   × × ×

南「えいっ!!」

   と、中段突きを相手に決める。

   × × ×

野宮「うらぁ!!」

   と、高速上段突きを相手に決める。

   × × ×

大木「そぉい!!」

   と、上段蹴りを相手に決める。

   ――アリーナ外観を写す。

   ブー!! と試合終了を知らせる長いブザー音。


○同・アリーナ内の試合会場(昼休み)

   ――2Fの観客席でお弁当を食べるみんな。

野宮「うまーい!!」

知恵「おかわりもあるからいっぱい食べてねー」

野宮「(手をあげて)唐揚げおかわりー!!」

春香「(手をあげて)米おかわりー!!」

大木「ピンポイントのおかわりはやめい!!」

加奈「それにしても凄かったですね!? 二回戦も3連勝!!」

恵介「(うなずいて)今のところみんな負けなしだな」

北川「むしろこのタイミングで昼に入れて良かったのかもしれない、浮かれた気持ちをリセットするためにも」

 「(見渡して)まぁみんな浮かれてはいないと思うが……あれ? 立花はどうした?」

音葉「ちょっと外の空気を吸ってくるって」

湖太郎「(泣きながら)せっかく夏ちゃんと一緒に食べれると思ったのに……食べるの速すぎだよ夏ちゃあああん!!」


○同・アリーナ駐車場

   石段に腰掛けている夏。

   ――子供が3人、アリーナから駐車場へ駆け出してくる。

子供A「さっきの試合すごかったよなー!?」

   と、空手ごっこを始める。

   1人が審判役、2人が向き合って試合のまねごと。

   ――子供たちを優しくつめる夏。

北川「ここにいたか立花」

   と、後ろから。

夏「北川!? どうした? メシ食うの速いな?」

北川「あんた程ではないが。それより次の準決勝、あんたまさか……」

夏「ああ、ウチが兄貴に頼んだんだ」

 「日本青空の出場順位は一回戦から浅井が大将で固定だった。だから準決勝の大将をウチにしてくれって」

北川「本当に大丈夫か……? もしまた――」

夏「心配するな!! ウチにまわるまでにみんなが決めてくれたらいいことだし」

 「それにもし浅井との試合にもつれ込んだとしても、今度はしくじらない」

北川「……本当はあの時、武道場で浅井にガツンと言ってくれて……少し嬉しかった」

   と、子供たちを見つめて。

夏「え?」

北川「私の代わりにほうとう杯に出るって言ってくれて、すごく嬉しかった」

夏「……北川」

北川「(夏を見て)だから私はあんたを信じる。あんたの空手道を信じている」

夏「ありがとう」

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