第六話 005
――アリーナの天井を写す。
夏「あー、開会式なげーよ……」
と、2Fの観客席に座り、天井を見上げながら。
周りに座っている他のメンバー。
野宮「まったく、ほうとうの歴史をここで聞かされるとは思わなかった……」
真中「ははは……その辺はスポンサーとの兼ね合いですね……」
恵介「よーし、そろそろ一回戦に向けてウォームアップしてこい」
大木「(小さく手をあげて)あのー……」
恵介「何だ大木?」
大木「私たちの出場順位表はもう提出したんですよね?」
恵介「ああ、対戦相手によって入れ替える予定だけど」
大木「ちなみに一回戦は……?」
恵介「聞きたい?」
みんな「はい!!」
恵介「一回戦、日川西【ひかわにし】高等学校との試合は、先鋒が南!!」
南「えええええっ!? わ、私ですか!?」
「先鋒って、勝ってチームに勢いをつける役目ですよね? わ、私には――」
真中「大丈夫だよ南ちゃん!! 合宿で力をつけたんだから!!」
南「そ、そうだよね!!」
恵介「次鋒が真中!!」
真中「ええーっ!? 私ですか!?」
「次鋒といえば、次鋒といえば――」
夏「おいおい、大丈夫かお前ら?」
「もう本番なんだから腹くくれよなー?」
恵介「中堅が夏!!」
夏「ええっ!? ウチが中堅!?」
「中堅といえばハチ公じゃねぇか!?」
野宮「(すかさず手をあげて)新宿!!」
大木「(呆れ顔で)渋谷だよ」
恵介「そして副将が野宮!!」
野宮「きたきたきたーっ!! えー、もう一度――」
大木「復唱せんでいい!!」
恵介「最後に大将の大木だ」
野宮「よっ、待ってましたっ!! 裸の――」
大木「言わせねーよ!!」
北川「(呆れ顔で)もう2人で漫才やってこい……」
音葉「うふふ、みんないい雰囲気だね?」
加奈「そうですね、この調子で――」
日川西のコーチ「早く準備しろよお前ら!!」
と、少し離れた2Fの観客席で。
日川西部員「押忍!!」
日川西のコーチ「やる気のない奴は今すぐ帰れ!! 早くウォームアップに行ってこい!!」
日川西部員「押忍!!」
春香「うわー、向こうは気合いの入れようが違うねー?」
恵介「まぁ、人それぞれ教え方があるからな。ほら、お前らも行ってこい」
5人「はい!!」
と、その場を後にする。
× × ×




