第六話 002
南「や、やっと見れましたね」
――対戦表はトーナメント方式になっており、A・Bブロック共に8チームに分かれている。
真中「お花見女子はBブロックですね」
夏「どこが強いんだか全然わからないや」
北川「優勝候補の山梨学園はAブロックか。決勝まで進めたら間違いなく決勝で当たる」
浅井「決勝まで進めたらの話だけどねー?」
と、北川の横に来て。ジャージ姿。
夏「えーっと……、一回戦の相手は……」
浅井「って、優加ちょースルーされてるしー!!」
「お花見女子がたとえ順当に勝ち進んだとしても、Bブロックの準決勝で優加の日本青空と当たるからー、そこでおしまいなんだからね!?」
北川「……浅井、おしまいかどうかは試合で分かる」
浅井「そ、そうね。まずは準決勝まで精いっぱい勝ち上がってきなさい」
「オーッホッホッホ」
と、立ち去る。
大木「あいつを見てるとのんべえが可愛く見えるよ」
野宮「まったくだよ……っておーい!?」
北川「大丈夫か立花?」
夏「ん? 何が?」
北川「出場順位によっては、また浅井と当たるかもしれないが――」
夏「へへっ、楽しみじゃねえか」
北川「……ならいいが」
× × ×
周りがざわつく。
――夏たちのところへ歩いてくる山梨学園のレギュラー5人。
南、松沢、竹谷、梅田、柏原。ジャージ姿。
他校の選手A「山梨学園のレギュラー……」
他校の選手B「やっぱりオーラが違うよねー?」
他校の選手C「梅田でかすぎー。男子顔負けじゃない?」
他校の選手D「どうしよう!? いま柏原さんと目が合っちゃった!!」
南姉「まいど!! 北川はん」
北川「相変わらずの人気っぷりだな?」
南姉「そないヤキモチ焼かんとてーな。ウチらも好きで人気者になっとるんとちゃいますから」
北川「うむ……」
南姉「なんや、ウチらはAブロックかー」
と、対戦表を見ながら。
南姉「(妹を見て)愛江も決勝まで頑張って上がってきーや?」
南妹「(うつむいて)……」
真中「大丈夫だよ南ちゃん!!」
南妹「(真中を見て)う、うん!!」
南姉「まあ立花はんも、北川はんの代わりになれるよう、しっかりと頑張ってください」
と、夏の肩に手を置いて。
――南姉をドン!! と押しのける柏原。
南姉「(吹っ飛んで)おふぅ!!」
柏原「立花さん!! 前にも言ったけど、ほうとう一年分は絶対に譲らないからね!?」
と、両手で夏の手を握って。
夏「え? あ、ああ……」
南姉「ほな決勝で待ってるさかい」
と、立ち去る5人。
――その光景を少し離れたところからカメラに収める記者A(男・20代)。




