第五話 014
○同・はなれの大広間(18時頃)
恵介「よし、日も暮れたから今日の練習はここまで!!」
みんな「はい!! ありがとうございました!!」
拓蔵「ハルー、頑張ってるかー?」
――窓の外から顔を覗かせる春香の父。後ろには望美。
春香「あれー? 父ちゃんに望美まで、どうしてここにー!?」
と、近寄って。
拓蔵「どうしてって、内川荘はうちのお得意先だからよー?」
「そうだ、余った野菜いるか!?」
恵介「いいんですか!? 助かります!!」
「友佳さんにお肉を頂いたので、晩ご飯はバーベキューにしようと思っていたんですよ」
と、近寄って。
拓蔵「ふむふむ。それにしてもみなさん、素晴らしい発育をされてますなー?」
望美「(呆れ顔で)どこ見てんのよお父さん……」
拓蔵「んん!?」
音葉「え?」
と、視線に気付いて。
拓蔵「おおっ!!」
――音葉の大きな胸を写す。
拓蔵「うううはははははーっ!!」
と、キラメキ背景の中で鼻血(虹色)を出してスローで倒れる。
音葉「ええっ!?」
望美「お邪魔しましたー……」
と、父の腕を引きずり帰ろうとする。
春香「そうだ!! 望美も一緒に晩ご飯食べていったらー?」
望美「えっ!? いいの?」
拓蔵「そうしなさい、ぜひお願いします!!」
「そして露天風呂にもつかって行きなさい!! 父ちゃんは車で待ってるから!!」
望美「やったー!! あ……、でも着替えが……」
春香「着替えなら、ハルのやついっぱい持って来てるから大丈夫だよー」
望美「本当!? ありがとうお姉ちゃん!!」
春香「(照れながら)へへっ」
拓蔵「で、君。ここにはもちろん例の場所があるんだろうね?」
と、恵介に顔を近づけてヒソヒソ声で。
恵介「はい? 例の場所?」
拓蔵「露天風呂といえば女湯が覗ける場所に決まってるじゃないか!! 男のマロンだよ!? マ・ロ・ン!!」
と、ヒソヒソ声で。
恵介「はい? 無いですよそんなところ」
拓蔵「えええええ!?」
――背中を向けてタバコに火をつけ、一度ゆっくりと煙を吐き出す拓蔵。
拓蔵「(渋い顔で)望美ー、湯冷めして風邪引いたらダメだからやっぱり帰るぞー」
望美「もー!! コロコロコロコロ意見を変えて!!」
「折角のGWなんだから、私もバーベキューしたいし露天風呂にも入りたい!! お父さんは車で待ってて!!」
拓蔵「……は、はい!!」
と、携帯灰皿にタバコをしまって。




