第五話 004
○内川荘への道路
恵介「よーしみんな、ここからはみんなが大好きな競争だ!!」
みんな「ええーっ!?」
恵介「この道を真っすぐ行けば右手に内川荘が見えてくる。ちなみに一番最後の人は罰ゲームなー?」
みんな「ええーっ!?」
恵介「いくぞー!! よーい、ドン!!」
――いっせいに枝を投げ捨て走り出すみんな。
恵介と加奈がトップ、次いで春香、一年生三人、レギュラー五人は固まって最後を走る。
夏「(息を切らして)レギュラーメンバーが最後って……」
真中「(息を切らして)人のこと言えてませんよ? 立花先輩……」
南「(息を切らして)み、みなさん。こ、ここは五人で一緒にゴールしませんか?」
と、南 愛江【みなみ かなえ】(17)。
野宮「(息を切らして)おっ、みなみん良いこと言うねー?」
「チームワークを深めるためにもいいアイデアじゃね!?」
と、野宮 才香【のみや さいか】(18)。
大木「(息を切らして)何甘いこと言ってんだ? 南、のんべえ」
と、大木 萌々花【おおき ももか】(18)。
野宮「相変わらずあったま固いなー? 大ちゃんは」
「五人でゴールした方が痛み分けってことで、罰ゲームの負担も軽くなるかもよ?」
大木「のんべえは楽したいだけだろ?」
野宮「あったりめーだろ!?」
夏「(真中を見て)何でのんべえ?」
真中「野宮ってお酒を飲む飲み屋とも読めますから、おそらくそこからのんべえに」
夏「あー、なるほど」
野宮「でもな、常にいい答えがあれば、私は迷わずそれを選ぶ!!」
真中「確かに団体戦は試合自体は個人の戦いですが、次に繋げるというチームワークが必要ですからね!?」
南「うんうん」
夏「よーし分かった!! 大ちゃん、のんべえ!! それで行こう!!」
野宮「いきなりあだ名呼びかよ!? やるな夏ちゃん!?」
大木「まったく……」
夏「(立ち止まって)よーしお前ら、足を合わせて二人三脚の要領でいくぞ!!」
みんな「(立ち止まって)ええっ!?」
野宮「分かった、号令は私がかける。裏切るなよ!? みんな!!」
と、五人横に並び肩を組んで。
真中「はい!!」
南「わ、分かりました!!」
夏「もちろん!!」
大木「りょーかい……」
野宮「いち、に、いち、に、いち、に、いち、に……!!」
と、足をそろえて走り出す。




