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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第一話 『ウチと彼女の約束事』
7/206

第一話 007

○夏の回想・同・敷地内(七月・午後)

   並んで歩く夏と音葉。

   夏服、手にはゴミ袋。

夏「あーあ、ゴミ出し当番めんどくせーなー」

音葉「文句言わないの」

鬼島「よお!! いっこ下!!」

   と、後ろから。

夏「(振り向いて)ああ?」

   ――鬼島と不良B・Cの姿。

鬼島「もう学校に来れるようになったでか?」

夏「(ゴミ袋を置き)お前、いつの話してんだ? すっかり忘れちまったよ」

 「――下がってろ冬月」

   と、音葉を下げようと、片腕で制止。

   が、腕を押しのけ、前に出る。

音葉「貴方たち何なんですか!?」

夏「ちょっと冬月!?」

鬼島「何だ知らねえのか?」

 「そいつはあたしんちに暴力を振るって、停学処分になったでよ」

不良B「私んちも注意されたけどな」

鬼島「(不良Bに)しゃらうるせぇ!!」

音葉「でしたら、夏は停学処分で十分反省したじゃないですか!?」

鬼島「なーにょ言ってるだちゅう?」

 「あたしんちはまだそいつに謝ってもらってねーだわ!!」

夏「お前ら!! あの後ちゃんと謝っただろ!?」

鬼島「あんなものは謝ったうちに入いんねーだわ」

不良B「なんぼでも言ってないで、とっとと誠意を見せろちゃー!?」

夏「何だとこらあああ!?」

   前に出ようとする夏、音葉が片腕で制止。

音葉「分かりました。夏の代わりに私が謝ります」

   と、ゴミ袋を置き、お辞儀。

音葉「だからもう夏のことは許してあげてください」

夏「ばっ!? 何言ってんだお前!?」

不良B「誠意っていえば土下座だろ普通よ!!」

  ――膝をつく音葉。

夏「やめろって!!」

  ――頭を下げる音葉。

鬼島「ほぅ……?」

   と、音葉の頭を踏んで。

夏「おい冬月!?」

鬼島「(夏を見て)随分と仲間思いの友達ができたじゃねえか? われ」

夏「何やってんだ!! 頭を上げろよ!?」

不良B「(夏に対して)ほらほら、悔しかったら早く助けてもれー!? 暴・力・で」

不良C「そうらそうらー!!」

夏「てめーら!! 調子に――」

   音葉、夏の足首を片手で掴む。

   夏、ハッと音葉を見る。

音葉「(笑顔で)……大丈夫」

   × × ×

鬼島「ほらほら、早く止めないとコイツうっちゅうぞ!?」

   と、頭や背中を何度も踏みながら。

   ――グッとこらえる夏。

   音葉の手は、夏の足を離さない。

   × × ×

   息を切らす鬼島。

音葉「(顔を上げて)気が済みましたか?」

 「(睨んで)これ以上あなたたちが問題を起こせば、次は注意だけじゃ済まされませんよ!?」

鬼島「(怯んで)けっ、しゃら面倒くせぇ……とっととけえるぞ!!」

   引き上げる三人。

   ――倒れる音葉。

夏「大丈夫か音葉!? しっかりしろ!!」

   と、抱きかかえて。

音葉「(微笑んで)……良かった。夏がやっと親しく呼んでくれた……」

夏「……お前」

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