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第五話 002
○内川荘への道路
寂しいバラード[例え:ガンダムの『風にひとりで』]のBGMが流れる。
鞄を背負い、暗い顔でうつむいてゾロゾロと歩く一行。
[以下BGM以外は無音で]
ノックの前で掃除をしている知恵が、みんなに気付き笑顔で手を振る。
――反応がないみんな。
不思議そうな知恵の顔。
町中で犬に吠えられる。
――反応がないみんな。
河口湖沿いの道を歩きながら、力つきた春香が四つん這いになる。
振り向いた(暗い顔の)夏が、春香に肩を貸して一緒に歩き出す。
――ゆっくりと朝日が差す。
恵介以外は木の枝を杖代わりにして歩いている。
――額の汗を拭い、疲れた顔で空を見上げる夏。




