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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第四話 『やりたいこと』
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第四話 008

○立花家への帰り道

夏「もうすぐ五月か……」

   と、桜が舞い散る道を歩きながら。手には進路希望の紙。

夏「約束事だからって、こんなウチにもう一度空手と向き合う資格なんてないし……」

 「進路も考えないとな……」

   と、進路希望の紙を見ながら。

   ――夏の頭に後ろからポンと手を置く夏の兄、立花 恵介【たちばな けいすけ】(23)。私服姿。

恵介「よっ、夏。泣いてないか?」

   ――桜が舞い散る中、ゆっくりと振り向く夏。

   夏の後ろに立っている恵介。

   ――夏の表情に嬉しさが込み上げてくる。

夏「兄貴!! 静岡から帰って来たんだ!? 修行はもう終わったのか!?」

恵介「おう、一・二ヶ月ほど家で休んでから、親父の会社でお世話になる」

 「で、帰ってきて早々、テーブルにお袋からの指令が置いてあってな」

   と、買い物袋を見せて。

夏「ははは……。それにしても全然変わってないなー?」

恵介「お前は見た目が随分変わったな!?」

夏「そりゃあ五年も経てば変わるよ」

恵介「独り暮らしももうそんなになるかー……」

 「大学を卒業して静岡に行くまで、一度も家に帰らなかったもんなー?」

   と、笑いながら。

夏「兄貴は秘密主義すぎるんだよ、電話しても出ないし」

 「兄貴の話はいつもお袋から聞いてたんだぜ?」

恵介「ははは、悪い悪い。それよりお前、さっき背中が泣いてたぞー?」

 「またいじめられたか?」

夏「いや……そうじゃないけど」

恵介「どれ? 五年分の悩みを、このかっこいい兄ちゃんに聞かせてくれよ?」

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