第四話 002
○同・春香のクラス
――黒板に『冬月 音葉』の文字。
教壇に立つ音葉。
音葉「冬月 音葉です。事故で一年お休みしていました」
「(お辞儀)これからよろしくお願いします」
春香「音葉ちゃーん!!」
と、自分の席から手を振って。
――音葉も微笑み小さく手を振る。
○同・夏のクラス~二年生の廊下(午後)
15時。授業終了のチャイム。
――自分の席で教科書を鞄にしまう夏。
担任「立花ー、ちょっとこーい」
夏「はーい」
と、教壇へ。
担任「進路希望の紙、そろそろ提出しろよ」
「大学進学なら大学名を記入して、オープンキャンパスにも顔出しとけよー?」
夏「あ……分かりました」
× × ×
二年生の廊下を歩く夏。
夏M「進路か……。ウチのやりたいことって……」
真中「立花……先輩?」
と、夏の前で立ち止まって。
夏「え? そうだけど……」
真中「やっぱりそうだ!! 見た目が変わってて全然気付かなかった!!」
夏「えーっと、今朝すれ違った……」
真中「真中ですよ!! 同じ空手道場だった」
夏「真中……」
「! あーっ!!」
真中「押忍!!」
と、下腹部の前に両腕でワッカを作る構え(輪受け)。