第三話 017
○喫茶店ノック・店内~全景(午後)
夏「てな感じで今回、予想していた通り、ウチにとって全く関係のない約束事だった訳だけど……」
――座敷に座り、口元で手を組んだ夏と向かいあう春香と加奈。制服姿。
夏の前にはオレンジジュース。
春香の前にはアイスミルク。
加奈の前にはアイス珈琲。
加奈「骸骨人形だけに、まさに骨折り損でしたね……」
夏「まったくだよ……」
春香「でも峰山先生もあれからノックに顔出してるみたいだし、音葉ちゃんの十月の記憶も元に戻ったんだから、結果オーライだね?」
夏「そうだな!!」
湖太郎「ん夏ちゃーん!! これ僕からのサービスだよーん!!」
と、体を回転させ、アイスをテーブルに置く。
湖太郎「(髪をかき上げて)今日は夏ちゃんと僕が出会ってから、一年とちょっと記念日なんだよー?」
夏「だから勝手に記念日をつくるな!!」
湖太郎「今日はハルちゃんと加奈ちゃんにもサービスするよー」
と、春香と加奈のアイスもテーブルに置いて。
夏「おっ、ちょっとは学習したな!?」
湖太郎「んふふーん、さくら祭りで夏ちゃんが猫を助けに行こうとした時、夏ちゃんから凄い覚悟を感じたんだ」
「僕にはその覚悟が足りなかったんだって……だからもう僕は覚悟を決めたよ!!」
「夏ちゃんに振り向いてもらえるような、立派な男になるって!!」
と、マッチョポーズ。
春香「おおー!! 頑張れ太郎ちゃん!!」
と、マッチョポーズ。
加奈「応援してます!!」
と、ガッツポーズ。
湖太郎「(泣きながら)ありがとうみんな!!」
夏「はいはい……。じゃあウチはキャビアをトッピングなー?」
湖太郎「(夏を見て)キャッ、キャキャ!?」
春香「(大きく手をあげて)ハルはフォアグラでー」
湖太郎「(春香を見て)フォッ!? フォア!?」
加奈「(小さく手をあげて)私はトリュフでお願いします」
湖太郎「トットトトトトー!?」
と、のけぞって。
湖太郎「ハッ!?」
と、カウンターの知恵を見る。
知恵「(笑顔で)全部あるわよー」
と、瓶詰めを三つ見せながら。
――ガラッと扉を開ける湖太郎。
湖太郎「世界三大珍味ー!!」
と、外に向かって叫ぶ。
夏「おーい、覚悟を決めたんじゃなかったのかー?」
× × ×
――湖太郎の肩を後ろからポンと叩く夏。
夏「(笑顔で)冗談だよ湖太郎」
「(優しい顔で)サービスしてくれてありがとな」
湖太郎「もー、びっくりさせないでよー!! ん夏ちゃーん!!」
と、夏に抱きつこうとする。
が、両手でしっかりとガードする夏。
夏「だからくっついて来るなって言ってんだろ!!」
知恵「湖太郎も懲りないわねー」
みんな「あははははー」
× × ×
――笑い声が響くノック全景。
――終わり――




