第三話 012
○同・上手の河口湖楕円形ホール駐車場・特設ステージ(18時頃)
河口湖楕円形ホール周辺の桜がライトアップされている。
駐車場に設置された特設ステージ。
横断幕には『第一回~河口湖の中心で愛を叫ぶ~告白大会』の文字。
司会「えー、これより『第一回~河口湖の中心で愛を叫ぶ~告白大会』を開催しまーす!!」
と、ステージ上から。
ステージの下から歓声と拍手を送る大勢の観客。
司会「えー、この大会は男女二人でステージに登場してもらい、男性にお相手の女性への思いを叫んでもらいます」
「その後、女性にその返事を叫んでもらうという、とてもシンプルな大会です!!」
「えー、大会といいましても、賞や賞金は特にございません!!」
「ですが、告白する皆さんの熱い思いを、思う存分解放していただき、観客の皆さんも一緒に盛り上がっていきましょう!!」
――観客の歓声と拍手。
× × ×
出場者A「好きだー、定子ー!! 俺と付き合ってくれー!!」
定子「よろしくお願いしまーす!!」
――観客の歓声と拍手。
○同・特設ステージ裏
二列に並び、順番を待つ夏と湖太郎、その後ろに峰山と知恵。
夏「めんどくせーなー。みんなちゃちゃっと終わらせようぜー?」
湖太郎「緊張しなくても大丈夫だよ夏ちゃん!? 僕に全てをゆだねればいいんだから!!」
夏「(胸ぐらを掴んで)緊張してねーよ!!」
知恵「見て見て先輩、綺麗な夜桜!!」
峰山「そ、そうだな……」
と、正面を向いたまま固まっている峰山。




