第二話 006
○走行中の軽トラ・荷台
うつ伏せに寝転び、ブルーシートを覆った、春香と加奈。
春香「何かこう隠れて乗ってると、悪いことをしてるみたいでワクワクするねー?」
加奈「いやこれ、十分悪いことですから。見つかったらやばいですよ……」
春香「そうなんだー?」
加奈「それにしても、GKTって何の略だったんですか?」
春香「んー。父ちゃんの事だから、『グレイト・霧島・トラーック』辺りのベタな名前でも付けてんじゃない?」
○同・車内
拓蔵「どうだい夏ちゃん!? 俺の『グレイト・霧島・トラーック』は!?」
――ガガガガガと、車体が上下に揺れている。
夏「ははは、すっごく揺れますね……」
拓蔵「がっはっはっ!!」
「夏ちゃんの胸も、すっごく揺れてるぜ!!」
と、親指を立てて。
夏「(呆れ顔)ははは……」
夏M「何でウチが助手席なんだよ……」
○同・荷台
加奈「それにしても夏先輩、ジャンケン弱いですねー?」
春香「なっちゃんは基本、グーしか出さないから」
加奈「薄々気付いてました」
と、親指を立てて。
○お月見総合病院・敷地内(夕)
拓蔵「じゃあなー、帰りも連絡くれたら迎えに来るからー」
と、病院を後にするGKT。
夏・加奈「(見送って)ありがとうございましたー!!」
夏「よーし、行こうぜー」
春香「ラジャ!!」
加奈「あれ? ここって……」
と、建物を見て立ち止まる。




