表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
番外編 『あれから一年』
200/206

番外編 010

○同・外観~廊下のロビーソファー(夕)

   ――夕日に染まるお月見総合病院。

   廊下のロビーソファーに並んで座る夏と孝一。

   目の前、窓の外に広がる一面の銀世界。

   ――窓から夕日が差し込んでいる。

孝一「今まで自分に自信が持てなかったのかもしれません」

 「それを隠すために、マイペースな冬子を心のどこかで馬鹿にして……」

 「でも分娩室で、一生懸命がんばる彼女を見て……ああ、馬鹿なのは僕のほうだったって……」

夏「(優しい顔で)女性って、男性が考えているよりずっとずっと強いんです」

 「ウチのお袋なんて怒ったら怖い怖い」

孝一「(頷いて)改めて、冬子のお母さんのお墓参りに行ってきます」

 「――結婚の報告も兼ねて」

夏「うん」

   × × ×

孝一「でもどうして、他人の私たちにここまで……?」

   ――少し目を閉じ、ゆっくりと開く夏。

夏「高校を卒業して新しい生活を始める時に、大切な友達から言われたんです」

 「『これからも人に感謝される存在でいてね。約束だよ夏』」

 「『きっとその時、景色が変わるから』って……」

孝一「景色か……」

   ――窓の外を見つめる二人。

孝一「僕もこの年になって、恥ずかしながら立花さんに気付かされました」

 「人を信じて、そして心の底から愛すること……」

   × × ×

夏「この真っ白な世界に――三人の足跡を」

 「(笑顔で)これからいっぱいいっぱい残していって下さい!!」

孝一「(鼻水を垂らして泣きながら)はひっ……」

   ――泣きじゃくる孝一と慌ててハンカチを渡す夏。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ