最終話 016
○富士山・全景~山頂付近(8月中旬・朝方)
――雪が溶けた富士山。
山頂付近、薄暗い中、岩場の道を登る夏と音葉。
帽子に登山服姿。手には金剛杖。
周りは一面、雲に覆われている。
夏「(息を切らして)あと少しで山頂……」
音葉「(息を切らして)うん……」
夏「少し休むか?」
音葉「(首を振って)大丈夫」
夏「ここまで登ってきたからな?」
音葉「うん、あと少し頑張りましょう」
夏「(振り向いて)って、何でみんなも一緒なんだよ!?」
――後ろをぞろぞろと登る御一行。
霧島 春香、秋園 加奈、峰山 真剣、河口 知恵、河口 湖太郎、
夏の父、夏の母、立花 恵介、立花 友佳、音葉の父、音葉の母、
霧島 拓蔵、春香の母、霧島 望美、加奈の父、加奈の母、
北川 真麻、理事長、飛鳥井 忠、教頭先生、真中 汐音、南 愛江、
野宮 才香、大木 萌々花、山梨学園大学の監督、進道 拳、
鬼島 典子、浅井 優加、竹谷 須美、梅田 倉子、松沢 ゆん、
柏原 縁、南 友江、校長先生、羽村 咲良、高丘 景、高丘のマネージャー。
春香「眠いし眠いし眠いし―」
加奈「私も山小屋で、あまり仮眠を取れませんでした……」
峰山「海の次は山か……中々ハードな夏休みだ」
知恵「今年もサーフィン楽しかったなー」
湖太郎「また夏ちゃんと花火を見れなかった……」
夏の父「若い頃に母さんと登ったのを思い出すなー」
夏の母「あら、まだまだ若いわよ」
恵介「親父もお袋もあまり無理すんなよなー」
友佳「うふふ、いつまでもお元気でいて下さい」
音葉の父「音葉は山梨学園大学を受けるんだろ?」
音葉の母「目標があっていいじゃない」
拓蔵「ハルもようやく農業に興味を持ち始めたな?」
春香の母「気まぐれなところは誰に似たんだか」
望美「ほんと、結局大事なところは私に任せてるし……」
加奈の父「加奈も来年は受験で大変だぞ」
加奈の母「そうね、今まで以上に応援しないと……」
北川「足腰を鍛えるのに丁度いい」
理事長「健康第一!!」
飛鳥井「生涯現役!!」
教頭「インターハイ予選お疲れ様でした」
真中「全国には行けなかったけど、悔いはありません」
南妹「私も全力を出し切りましたから」
野宮「大ちゃんおんぶー」
大木「自分で歩け!!」
監督「附属高校は今年のインターハイも中々の結果でしたね?」
進道「いえいえ、また合同練習をよろしくお願いします」
鬼島「今のところ、練習試合でわれに勝ち越してるぞ?」
浅井「大事なのは本番よ、最後にスポットライトを浴びるのはこの私」
竹谷「クマ子ー、もっと速く行きなさいよ」
梅田「いやでも……雪崩が起きたら嫌だから」
松沢「って雪ねーし!!」
柏原「やっぱ立花さんと練習すると楽しいね?」
南姉「ほんま、ボケもツッコミも出来る貴重な逸材やで」
校長「咲良、きつくないか? 大丈夫か?」
羽村「うん、心配してくれてありがとうお父さん」
高丘「発声練習をしたいけど、酸欠になりそうだし」
マネージャー「そうでなくても酸素ボンベが必須なのに……」
夏「あーもう!! 人の話を全く聞いてないし!!」




