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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
最終話 『ウチと彼女の願い事』
187/206

最終話 015

○音葉の回想・通学路の丁字路~横断歩道そば(2月・夕)

   降っていた雪は止み、夕焼けが広がる。

   ノック前の丁字路の角で傘を持ち、富士山を見つめる夏(高1)と音葉(高1)。

   建物の奥、夕焼けに染まる富士山。

音葉「夏、私ね、今は部活で忙しいけど、いつか夏と一緒に富士山に登ってみたいんだ」

夏「何だよいきなり!?」

音葉「あのね、富士山のご来光に向かってお願いごとを叫んだら、そのお願いが叶うんだって」

夏「ホントかよ? そんなの聞いたことないぞ?」

音葉「うふふっ、だってそれ、私が考えたんだもん」

   × × ×

夏「(手を振って)じゃあまた明日!! 気をつけて帰れよ」

音葉「(手を振って)うん、バイバイ」

   と、丁字路で別れる二人。

   × × ×

   ――横断歩道のそば、血を流し仰向けに倒れている音葉。

   周りに立ち、音葉を覗き込む不良B・Cとナンパ男。

   奥には車が止まっている。

不良B「われ……何やっちゅうだ!?」

ナンパ男「お、お前らがしつこく遊ぼうって言ったからじゃんよ!?」

 「まだ酒が抜けてないのに……」

不良C「こいつ……あたしんちが前に絡んだやつら!?」

不良B「何ぼさっと立っちゅうだ、とっとと逃げんぞ!!」

ナンパ男「お、おう……」

   音葉の回想おわり。


○冬月家・外観~音葉の部屋(4月上旬)

   冬月家の庭に、咲き終わった3mの河津桜が植えてある。

   音葉の机には、H3が開いた交換日記。

   約束事の全ての項目にチェックが入っている。

   日記の横には地域新聞。

   一面に『記憶が戻った被害者の証言で、ひき逃げ犯らを逮捕。犯行を認める』の文字。

   その下に『お花見女子高等学校の入学式で桜が満開。卒業式の桜に影響を受けたか?』と書かれた小さな記事。

   ――額縁に入れて壁に飾られた、完成した富士山パズル。

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