最終話 014
○同・体育館前
音葉の母「はーいみんなー、ほうとうもあるわよー。1年分だからどんどんおかわりしてねー」
と、プラスチックのどんぶり容器によそったほうとうを、次々にふるまう母親たち。
――喜ぶ生徒たち。
野宮「うっし食うか!!」
と、大木と拳を合わせて。
隣で優しく微笑む北川。
○同・家庭科室
調理実習台に寸胴鍋が4つ。
春香の母「どんどん持って行ってくださーい」
と、寸胴鍋からどんぶり容器にほうとうをよそって。
――容器をお盆に乗せて運ぶ母親たち。
鍋をかき混ぜる夏・加奈の母、その横で食材を切る飛鳥井。
夏の母「(飛鳥井を見て)すみません、わざわざ手伝っていただいて」
飛鳥井「いえいえ。何か手伝えることがあればと、娘さんにわたくしから声を掛けさせていただきましたから」
加奈の母「でもすっごく助かっています!!」
飛鳥井「(ニコッ)執事として、まだまだ若い人たちには負けていられませんから」
と、もの凄い勢いで食材をカット。
○同・体育館前~武道場裏~体育館前
美味しそうにほうとうを食べる真中と南。
――武道場の壁にもたれ、ため息をつく鬼島。
鬼島「あたしが見れなかったものか……」
と、舞い散る桜の花びらを見て。
鬼島「(空を見上げて)ほんと、あたしもバカな奴に絡んじまったよ……」
× × ×
桜の花びらが舞い上がる中、体育館前で空を見上げる夏。
――バツの髪ゴムを取り、優しく微笑む。
桜の木と笑い声が響く学校を写す。
[ホワイトアウト]




