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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
最終話 『ウチと彼女の願い事』
185/206

最終話 013

○理事長の回想・北川家(9月上旬・夜)

理事長「(優しい顔で)ライブの許可書を書きましょう」

夏「ありがとうございます理事長!!」

 「あ……、それともう1つだけお願いがあります」

理事長「もう1つ?」

夏「お願いと言いますか……今回もし万が一、ライブが失敗した場合に備えて、何か別の手を打ちたいと考えています」

 「……失敗なんてことは正直考えたくないんですが」

理事長「――何をやるのかが分からない限り、こちらとしても……」

夏「理事長は、どうすれば学校のみんなが笑顔になると思いますか?」

理事長「そうですね……ネクタイ、そして後ろの襟」

   と、夏の制服を指差して。

夏「え?」

理事長「我が校の制服のモチーフにもなっている『桜』」

 「……理想を言いますと、それを卒業生に見せたいですね」

夏「分かりました、それで行きましょう!!」

理事長「ええっ!? でもどうやって!?」

夏「それはまだ分かりません。(笑顔)でも任せて下さい」

理事長「(ため息)分かりました。ただし学校には傷ひとつ付けないこと、それが条件です」

夏「ありがとうございます!!」

 「――それともう1つ……」

理事長「まだ何かあるんですか!?」

夏「あはは……念には念をの思いつきなんですが、許可してもらいたいことが――」

   理事長の回想終わり。


○元の体育館内

理事長「創立36年目にして、卒業式でようやく満開の桜が見れましたね?」

校長「はい……理事長」

   と、うつむき肩を振るわせて。

理事長「(背中に手を添えて)校長先生……最後くらいは、笑顔で卒業生を送り出しましょう」

校長「はい……」

理事長「(夏を見て)そういえば、まだ一つやり残したことがありました」

   × × ×

夏М「(優しい顔で)卒業式と掛けて、校庭に立つ花と解きます。その心は、みんなが笑顔になるでしょう」

   と、喜ぶ生徒たちを見つめながら。

   ――夏に近寄る高丘とマネージャー。

高丘「立花さん、学園祭に僕を呼ぼうとしてくれていたんだね」

マネージャー「立花さんにスケジュールを聞かれて、それっきりでしたから……」

夏「あの時は色々あって呼べなかったんです。すみませんでした」

 「(高丘を見て)でもやっぱ、他力本願じゃなくて自分で動かなきゃな!? それが分かって良かった」

高丘「うん」

   ――入れ代わりで夏に近寄る理事長と校長。

理事長「立花さん、卒業おめでとう」

夏「理事長……」

理事長「よく頑張りました」

   と、夏の胸に造花胸章をつけて。

夏「ありがとうございます」

校長「立花さん、卒業おめでとう……」

 「(笑顔で)そしてありがとう!!」

   と、卒業証書を渡す。

夏「(受け取って)へへっ、ありがとうございます、校長先生!!」

   × × ×

   ハッと音葉の視線に気付く夏。

   体育館に残り、夏を見て微笑む音葉。両脇に春香と加奈。

夏「へへっ」

   と、親指を立てる。

   親指を立てる音葉・春香・加奈。

理事長「そうそう立花さん!! ライブが終わったら……」

 「(ウインク)何だか小腹がへりましたね?」

夏「(ウインク)ですよね!?」

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