表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
最終話 『ウチと彼女の願い事』
182/206

最終話 010

○同・校門~体育館前~館内

   ――校門に到着するGKAH4T。

音葉の父「時間がない!! 急いで!!」

   × × ×

   体育館前でハッとする加奈の父。

加奈の父「後は私たちに任せて早く!!」

   × × ×

   体育館の両引き扉を開ける夏。靴は上履き。

   ――みんなが一斉に振り向く。

   夏、大きく息を吸い込んで。

夏「(大声で)ライブの前に、保護者の皆さんに手伝って欲しいことがあります!!」

 「保護者の皆さんは全員外に出て下さい!!」

みんな「なっ!?」

生徒たち「あれ立花さんじゃない?」

   と、ざわつく。

校長「(立ち上がって)そ、卒業式に出席もせず、いきなり入って来て何を言い出すんだ!?」

夏「(頭を下げて)娘さんを本当に大切に思っていらっしゃるなら、どうかよろしくお願いします!!」

校長「何をバカなことを!!」

理事長「(立礼)保護者の皆様、私からもお願いします」

校長「理事長!?」

   ――ざわつく保護者たち。

夏の父「(大声でわざとらしく)よーし!! 何だか知らないけど、可愛い娘のために全力で手伝うぞー!!」

   と、扉に向かい、夏の横で手のひらを向けて。

夏の父「よく頑張った夏、後は俺たち大人に任せろ」

夏「(タッチして)ありがとう親父」

   ――ざわつきながら出て行く保護者たち。

校長「どうなっているんですか理事長!? 私はライブ以外のことは何も聞いていませんよ!?」

理事長「そうですね、私もライブ以外のことは『少ししか』聞いていません」

校長「(怪訝な顔で)……」

   ――体育館の扉を閉め、親指を立てる夏。

   親指を立てる高丘。

高丘「それじゃあライブを始めるよー!! 盛り上がれー!!」

   と、ギターを弾きながら。

   ――キャーと黄色い歓声。

   総立ちで喜ぶ生徒たち。

   × × ×

   席に座る卒業生と床に座る1・2年生。

校長「(ため息)やっと終わった……まったく、卒業式の最後に不謹慎な」

   と、ハンカチで汗を拭いながら。

高丘「最後に立花さんから挨拶があります……」

 「(うなずいて)立花さん」

   ――自分の席でうなずき返す夏。

   × × ×

夏「ウチの高校生活は、暴力事件から始まりました」

   と、壇上でマイクを持ちながら。

夏「停学処分が解けて学校に戻ると、悪いうわさが広がっていて孤立しました」

 「(照れ笑い)自業自得ですね」

 「でも変わりたいと思えば、諦めずに行動すれば、人は変われます」

 「だから皆さん、しっかりと前を向いて歩いていってください」

 「――ウチの高校生活は、辛かったけど楽しかったです」

   ――拍手する生徒たち。

   夏を知る生徒は立ち上がって拍手。

夏「えー最後に、全然『なぞかけ』になっていませんが、ウチの名前にかけて一つ」

 「卒業式と掛けて、校庭に立つ花と解きます。その心は……」

 「(うなずいて)峰山先生、扉を開けて下さい。お願いします」

   ――うなずき返し、立ち上がる峰山。

校長「おい、何をする気だ!? まだ何かあるのか!?」

 「(峰山を見て)峰山先生!! これ以上勝手なことをされては困ります!!」

峰山「(振り向いて)覚悟の上です」

   と、扉に向かって歩き出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ