表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
最終話 『ウチと彼女の願い事』
179/206

最終話 007

○お花見女子高等学校・校長室のプレート~校長室~廊下(午後)

   校長室のプレートを写す。

   ――校長席に座る校長と、机を挟んで立つ夏。

校長「君もしつこいな!! まだ懲りていないのかね!?」

 「学園祭のライブが失敗に終わって、君はいったい何を学んだ!?」

夏「学園祭のライブは確かに失敗しました。校長先生、あなたのせいで」

校長「なっ、何をバカなことを!? 自分の責任を校長の私になすり付けるとは、なんと非礼な!!」

   と、立ち上がって。

校長「だいいち証拠はあるのかね!? ライブが失敗したのは私のせいだという証拠が!?」

 「何でもかんでも人のせいにして!! そうやって暴力事件の時も、どうせ人のせいにしたんだろ!?」

 「(机を叩いて)世の中をなめるな!!」

夏「(睨んで)……」

校長「ほら、早く証拠を出しなさい証拠を!! 出せないならとっとと出て行って下さい!!」

夏「(睨んで)……」

校長「(机を叩いて)睨むだけで何も言い返せないのなら、今すぐ出て行け!!」

羽村「私が証拠」

   と、扉を開けて羽村が入ってくる。

校長「咲良!?」

夏「羽村!?」

羽村「父は学園祭が終わってから、高丘さんの事務所に連絡をとっていなかったと私に言った」

校長「こ、こんなのは無理矢理言わせることも出来る……」

 「咲良、こいつに脅されているのか!? 何か弱みでも――」

理事長「教育者が生徒を信じなくて誰を信じるのです」

   と、入ってくる理事長と北川。

校長「き、北川理事長!?」

理事長「廊下にまで聞こえるほど声を荒げて、どうかなさいましたか? 校長先生?」

校長「いえ……この状況はその……」

理事長「私があなた宛に書いた、学園祭でのライブの許可書はどこに行きました?」

校長「そっ……それは……」

理事長「あなたは立花さん、いや、生徒たちの思いを踏みにじった」

夏「校長先生、今ここで高丘さんの事務所に電話を掛けてください」

校長「なっ!?」

夏「何ならウチが直接、学園祭の時の確認も兼ねて、連絡してもいいんですが」

校長「(うつむいて)くっ……」

夏「校長先生が起こした過ちは、何時まで経っても消えません」

 「でも代わりと言っては何ですが、一つお願いがあります」

 「(机を叩いて)卒業式にもう一度、高丘 景のライブをお願いします!!」

   × × ×

夏「ありがとうございました理事長!! でもどうして……?」

   ――廊下を歩く四人。

理事長「前に言ったでしょ? あなたの噂は色々な人を通して聞いています」

 「(笑顔で)良い噂も、悪い噂も」

夏「まぁ今回は北川が一緒に来たところを見ると、誰から聞いたか大体分かりますが」

北川「(赤面)なっ!?」

夏「でも駆けつけてくれてありがとう北川」

北川「(照れて)……ああ」

夏「羽村、まさか来てくれるとは思わなかった」

羽村「(赤面)か、カメ好きに悪い奴はいないから」

夏「(笑顔)へへっ、ありがとう!!」

理事長「立花さん……校長先生の非礼をどうかお許しください」

夏「いえ、とんでもないです。でもこれでやっと、ライブが見れます!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ