最終話 007
○お花見女子高等学校・校長室のプレート~校長室~廊下(午後)
校長室のプレートを写す。
――校長席に座る校長と、机を挟んで立つ夏。
校長「君もしつこいな!! まだ懲りていないのかね!?」
「学園祭のライブが失敗に終わって、君はいったい何を学んだ!?」
夏「学園祭のライブは確かに失敗しました。校長先生、あなたのせいで」
校長「なっ、何をバカなことを!? 自分の責任を校長の私になすり付けるとは、なんと非礼な!!」
と、立ち上がって。
校長「だいいち証拠はあるのかね!? ライブが失敗したのは私のせいだという証拠が!?」
「何でもかんでも人のせいにして!! そうやって暴力事件の時も、どうせ人のせいにしたんだろ!?」
「(机を叩いて)世の中をなめるな!!」
夏「(睨んで)……」
校長「ほら、早く証拠を出しなさい証拠を!! 出せないならとっとと出て行って下さい!!」
夏「(睨んで)……」
校長「(机を叩いて)睨むだけで何も言い返せないのなら、今すぐ出て行け!!」
羽村「私が証拠」
と、扉を開けて羽村が入ってくる。
校長「咲良!?」
夏「羽村!?」
羽村「父は学園祭が終わってから、高丘さんの事務所に連絡をとっていなかったと私に言った」
校長「こ、こんなのは無理矢理言わせることも出来る……」
「咲良、こいつに脅されているのか!? 何か弱みでも――」
理事長「教育者が生徒を信じなくて誰を信じるのです」
と、入ってくる理事長と北川。
校長「き、北川理事長!?」
理事長「廊下にまで聞こえるほど声を荒げて、どうかなさいましたか? 校長先生?」
校長「いえ……この状況はその……」
理事長「私があなた宛に書いた、学園祭でのライブの許可書はどこに行きました?」
校長「そっ……それは……」
理事長「あなたは立花さん、いや、生徒たちの思いを踏みにじった」
夏「校長先生、今ここで高丘さんの事務所に電話を掛けてください」
校長「なっ!?」
夏「何ならウチが直接、学園祭の時の確認も兼ねて、連絡してもいいんですが」
校長「(うつむいて)くっ……」
夏「校長先生が起こした過ちは、何時まで経っても消えません」
「でも代わりと言っては何ですが、一つお願いがあります」
「(机を叩いて)卒業式にもう一度、高丘 景のライブをお願いします!!」
× × ×
夏「ありがとうございました理事長!! でもどうして……?」
――廊下を歩く四人。
理事長「前に言ったでしょ? あなたの噂は色々な人を通して聞いています」
「(笑顔で)良い噂も、悪い噂も」
夏「まぁ今回は北川が一緒に来たところを見ると、誰から聞いたか大体分かりますが」
北川「(赤面)なっ!?」
夏「でも駆けつけてくれてありがとう北川」
北川「(照れて)……ああ」
夏「羽村、まさか来てくれるとは思わなかった」
羽村「(赤面)か、カメ好きに悪い奴はいないから」
夏「(笑顔)へへっ、ありがとう!!」
理事長「立花さん……校長先生の非礼をどうかお許しください」
夏「いえ、とんでもないです。でもこれでやっと、ライブが見れます!!」