168/206
第十話 012
○走行中の電車~車内(夕)
――走行中の電車。
座席に座っている夏、スマホを鞄から取り出す。
夏「音葉に伝えなきゃ……」
と、メールアプリを開く。
夏「あ、昨日音葉からメールが来てたんだ……」
「まあ日記も見つかったからいっか」
と、メールを打ちながら。
夏『今どこ?』
音葉『みんなと一緒に駅までの道を探していたけど、気が付いたら夏と初めて出会った場所に来てた』
と、返ってくる。
――ハッとする夏。
[フラッシュ]
× × ×
路地裏でナンパ男に絡まれている中2の音葉。
稲穂の声「ほら、音葉ちゃんああ見えてけっこう頑固で溜め込んじゃうからさ……」
× × ×
夏「あいつ……!!」
○地面~河口湖駅の改札~駅までの道
――ポツリ、ポツリと地面に雨が落ちてくる。
改札を抜けて駅の外へ走る夏。
春香「あ!! なっちゃん!!」
と、駅までの道で呼びかける。
が、見向きもせずに走り去る夏。
加奈「そういえば音葉先輩は?」
稲穂「あれ? どこに行った?」




