第十話 004
○富士山ランド外観~敷地内(8時前)
広大な敷地内にジェットコースターや観覧車など、様々なアトラクションが並ぶ。
敷地内を歩きながら周りを見渡す5人。
夏「まだ早いのにすっごい人だな?」
稲穂「絶叫系とか30分待ちになってるんだけど!?」
春香「連休だから仕方ないよー」
加奈「(ガイドを広げて)どれから行きます? 私は何でも大丈夫ですよ?」
春香「これからどんどん人が来るから、人気の絶叫系に乗るなら今の内だよ!?」
音葉「私は事故の影響があるから、頭に負担がかかる絶叫系は見学するね」
夏「だよな? 第一あんな高いところに上がっても、何の得にもなんないし!!」
春香「音葉ちゃんは良しとしても、なっちゃんには絶叫系に乗ってもらいます!!」
夏「何でだよ!? そこでウチを巻き込むなよ!?」
春香「だって基本2人乗りがほとんどなんだよ!? 3人だと1人余っちゃうんだよ!?」
夏「うっ……」
春香「1人で乗る人は乗っている時の興奮を誰と分かち合ったらいいのかって、少しだけ不完全燃焼になっちゃうんだよ!?」
夏「あーもう!! 分かった分かった!!」
加奈「(稲穂に耳打ち)あ、ちなみ夏先輩は高いところが……」
稲穂「ほうほう……」
× × ×
ベンチで手を振る音葉。
チーンという効果音。
ジェットコースターの先頭に座る春香と白い夏、後ろに加奈と稲穂。
春香「このコースターは合計14回も回転するんだよ!? あ、聞いてるなっちゃん?」
――魂が抜けて反応のない夏。
絶叫と共に通り過ぎていく夏たちを笑顔で見守る音葉。
× × ×
稲穂「いやー、楽しかったー!!」
加奈「宙に浮いているような感じでした!!」
と、音葉の元へ帰ってくる笑顔の3人と白い夏。
春香「音葉ちゃんには悪いけど、先に人気の絶叫系を回っちゃうね!?」
夏「ふぁっ!?」
音葉「うふふ、私は気にしないで。見ている方が楽しいかも」
× × ×
チーンという効果音。
高さ52mのタワーアトラクションに座っている春香と白い夏、隣に加奈と稲穂。
春香「このタワーは上昇した後に一気に急降下して、無重力状態が味わえるんだよ!? あ、聞いてるなっちゃん?」
夏「(白目)ソレサッキ、アジワイマシタ……」
絶叫と共に上昇する夏たちを笑顔で見守る音葉。
× × ×
春香「この回転ブランコはね、高さ59mで最高速度が51kmで回転するんだよー!?」
と、二人乗りのブランコに夏と座り、回転しながら。
春香「聞いてるなっちゃーん!?」
夏「(白目)オハナが一本オハナが二本……」
× × ×
――ジェットコースターの先頭に座る春香と白い夏、後ろに加奈と稲穂。
春香「最高速度172km!! どどーん!!」
と、勢いよく発車する。
夏「(白目)オハナバタケガ……」
× × ×
稲穂「お待たせ音葉ちゃーん!!」
加奈「すっごく楽しかったです!!」
春香「もう絶叫系はお腹いっぱいかなー」
と、音葉の元へ帰ってくる笑顔の3人と白い夏。
音葉「うふふ、お疲れみんな」
夏「(倒れて)おふっ」
春香「なっちゃん今日は足元に気をつけないとー」
夏「(ゲッソリ)これは違う……」




