第十話 003
○河口湖駅・案内所脇(7時半)
案内所脇に立つ音葉・稲穂・春香・加奈。私服姿に鞄。
――木の枝を杖がわりにして歩いてくる夏。
ジャージ姿に手提げ鞄。
音葉「遅い夏!! 遅れるなら連絡入れてよ? みんなで心配してたんだから」
夏「……悪い」
と、絆創膏だらけで。
春香「どうしたのなっちゃん!?」
夏「ここに辿り着くまでに何度コケたことか……」
稲穂「それって……」
加奈「悪い時の占いはあまり気にしない方がいいですよ?」
夏「……加奈も見てたのか」
加奈「はい!! 今日は私、1位でしたから!!」
春香「ハルは2位だったよー?」
稲穂「私は3位!!」
音葉「私は……下から2番目」
夏「(呆れ顔)はは……楽しみにしてたのは親父だけじゃなかった……」
○走行中の電車~車内
――走行中の電車。
車内で一列に座っている5人。
夏の絆創膏はとれている。
加奈「私、富士山ランドは初めてですからすっごく楽しみです!!」
稲穂「もっちろん私も初めて!! 音葉ちゃんは?」
音葉「うふふ、お婆ちゃん家に来た時に一度だけ」
夏「ウチも数回しか行ったことがないなー、駅も隣だし」
「(春香を見て)案外近くにあるとそんなに行かないよな?」
春香「(自慢げに)家族で月1」
4人「マジで!?」
春香「(自慢げに)今日は常連さんとお呼びください」
4人「(敬って)ははーっ!!」
アナウンス「富士山ランドー、富士山ランド駅ー」




