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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第九話 『学園祭』
154/206

第九話 016

○同・体育館(14時半)

北川「えー、以上をもちまして、お花見女子高等学校の学園祭を終了します」

   と、ステージで挨拶。

   ――拍手するみんな。

北川「尚、このあと生徒のみなさんは後片付けを手伝ってください。よろしくお願いします」

   × × ×

   ステージ脇で立ち尽くす夏に近寄る校長。

校長「(肩に手を置いて)ライブは残念だったね? でも良かったじゃないか? 素人の漫才で盛り上がって」

   と、立ち去る。


○同・校門

   手を振って帰る稲穂・知恵・湖太郎。

   校門で見送る音葉。

   ――羽村に取り外される学園祭のボード。

   寂しい顔でボードを見つめる音葉。


○同・校庭

   後片付けをしている夏と北川。

   夏はしゃがみ、コンクリートについたガムをヘラで取っている。

通りがかりの生徒A「(夏を見て)いっそ『嘘つき花子』に改名したらいいのにー」

通りすがりの生徒B「ほら、聞こえちゃうよー」

通りがかりの生徒A「バーカ、聞こえるように言ってんじゃん」

通りがかりの生徒B「あはははは」

夏「(うつむいて)……」

北川「気にするな立花……最後まで実行委員長として良く――」

夏「なあ北川……これさっきから取れねえんだよ……」

 「取れたと思ったらまたくっついてよ……キリがねぇんだ……」

北川「……立花」

夏「何でくっつくんだろうな……? 何度も何度も……」

北川「――そこはもういい!! 私がやるから」

夏「……ありがとな北川」

北川「え……?」

夏「(作り笑顔で)まぁまた、元の鞘に収まったって感じでホッとしたよ」

北川「(心配そうに)……」


○校長室~廊下

   机の引き出しを開けてライブの許可書を取り出す校長。

校長「(怪訝な顔で)まったく……学校を何だと思ってるんだ!!」

   と、ライブの許可書を破り捨てる。

   × × ×

   ボードを脇に抱えて廊下を歩く羽村。

   奥から歩いてくる校長とすれ違う。

   ——すれ違い様に立ち止まる羽村と校長。

校長「(背を向けたまま)咲良、学園祭のライブは残念だったな?」

羽村「(背を向けたまま)本当は高丘さんの事務所に連絡を取って無かったんでしょ? お父さん」

校長「どうせ呼んでもシラケるだけだ。なーにが『みんなを笑顔にしたい』だ、バカバカしい」

羽村「(怪訝な顔で)……」

校長「(振り向いて)でもこれで少しは、お前への噂もマシになるんじゃないか?」

羽村「……バカでしょ。私の事はほっといて」

   と、背を向けたまま歩き出す。

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