第九話 014
○同・校門~校庭(9時)
校門には『お花見女子高等学校 学園祭』のボード。
校庭を歩く制服姿の音葉・春香・加奈・望美と、私服姿の稲穂・知恵・湖太郎。
加奈「へー、稲穂先輩は音葉先輩の家に泊まられたんですね?」
稲穂「うん、連休最終日までお世話になるんだけど……迷惑かけてごめんね? 音葉ちゃん」
音葉「気にしなくていいよ。お父さんとお母さんも凄く喜んでいたし」
稲穂「そういえばおじさんとおばさんの顔を見るのも久しぶりだったなー。おばさんは相変わらず可愛かったし」
音葉「うふふ、ありがと」
湖太郎「可愛いと言えば夏ちゃんのメイド服姿だよ!!」
「(妄想して)えへ……楽しみだなー……えへへ」
春香「(湖太郎の耳元で)そこにメイド服姿の峰山先生も追加してみよう」
湖太郎「(妄想して)えへ……メイド服姿の峰山先生も――」
「!」
「リア充 峰山あああ!!」
と、校庭の木におでこをガンガンとぶつけて。
峰山「(昇降口からジャージ姿で猛ダッシュ)呼んだか河口いいい!!」
知恵「うふふ、噂をすれば」
音葉・春香・加奈「おはようございます!!」
峰山「おう、おはよう!!」
「(赤面)か、河口……来てくれてありがとう」
知恵「ううん、こちらこそ誘ってくれてありがとう」
峰山「あいつ……大丈夫か?」
と、おでこをぶつける湖太郎を見て。
知恵「うん、いま反抗期みたい。放っておけばそのうち治るよ」
峰山「そ、そっか……」
同・運動場(9時半)
運動場の端には様々な屋台や机とイスが並ぶ。
運動場の中央に整列する全校生徒と一般客たち。
その前に並ぶ実行委員、先生、ご来賓。
夏「(マイクで)これより、お花見女子高等学校の学園祭を開催します!!」
と、朝礼台から挨拶。
――音花火が上がる。
拍手するみんな。
× × ×
[屋台の食べ物をメイド服姿で客にふるまう三年生たち]
[実行委員の腕章をつけて場所を案内する夏や羽村]
[食べ物を食べながら運動場でくつろぐ音葉と稲穂]
[食べ物を取り合う春香と望美、加奈は仲裁に入っている]
[校内の展示物を見て回る知恵と湖太郎]
[真中と南に特製ミックスジュースを勧める野宮とあわてて止めに入る大木]
[北川から紅茶をもらい、ハンカチで涙をぬぐう飛鳥井。離れた場所から見守る理事長]
○同・運動場(13時半)
放送「お知らせします。この後14時から『高丘 景のスペシャルライブ』を行います」
「屋台の販売もここで終了となります。みなさん速やかに体育館にお集まりください」




