第九話 013
○お花見女子高等学校・体育館~視聴覚室(連休2日目・学園祭当日・8時)
――体育館の外観。
館内壇上の横断幕には『高丘 景スペシャルライブ』の文字。
館内の両脇にはご来賓用のパイプイス。
夏「よし、ライブの準備もバッチリだな」
と、ステージ前に立って。メイド服姿。
夏「高丘っちと会うのも一ヶ月ぶりか……絶対にみんなを笑顔にしてやる!!」
野宮「お、実行委員長の最終チェックか?」
大木「学園祭のメインだからね?」
と、入ってきて。メイド服姿。
夏「おう。校内の展示物はもう全部見たから……後見るところは」
野宮「そうそう夏ちゃん、がわやんのメイド服姿見た?」
夏「いや、見てないけど……」
野宮「よっしゃ、一緒に見に行こう!!」
と、夏の腕を引っ張って。
夏「え? ちょっと」
× × ×
視聴覚室で北川のメイド服姿を見て、笑い転げる夏と野宮。
北川「(赤面して)なっ!?」
夏「ごめんごめん、普段とのギャップでつい」
北川「相変わらず失礼な物言いだな?」
夏「でもメイドさんには笑顔が大事だろー?」
「のんべえ、ムスッとした北川に可愛いセリフで見本を見せてやれ」
野宮「(決めポーズで)いらっしゃいませ!! ご主人様ー」
大木「うわー……色気ゼロ」
野宮「だったら大ちゃんやって見せてよ!?」
大木「やる訳ないだろ!!」
北川「まあまあ、何でも人に押し付けるのは良くない」
野宮「じゃあがわやんが代わりに――」
北川「やるか!!」
夏「よし分かった!! じゃあジャンケンで負けた奴が――」
北川・大木「(詰め寄って)ジャンケンはもうやめてご主人様!?」
夏「ええっ!?」




