第九話 011
○お花見女子高等学校・校門前~ノック~校門前~ノック~校門前~ノック(夕)
校門前に並ぶ実行委員と、前に立つ峰山先生。
峰山「今日は朝からよく頑張った。いや、今日まで実行委員としてみんなよくやってくれた!!」
「でも気を抜くなよ? 明日が本番だ!!」
みんな「はい!!」
峰山「それとメインである『高丘 景のライブ』も、事務所と連絡が取れていると校長先生が言ってらした」
――喜ぶみんな。
峰山「当日の段取りも校長先生が全てやって下さる。だからお前らは、自分の仕事を最後までやり遂げるように」
みんな「はい!!」
峰山「以上だ!!」
夏「(前に出て)実行委員長としてちょっといいですか?」
峰山「おう、どうした立花?」
夏「みんな恥ずかしいかも知れないけど、バカみたいに思うかもしれないけど、明日のために円陣を組もう」
――ざわつくみんな。
北川「(前に出て)私は賛成だ」
野宮「(前に出て)やっぱ一度は腹から声を出さないとな!?」
大木「(前に出て)心配しなくてものんべえは普段から十分うるさいし」
夏「お前ら……」
「(羽村を見て)羽村」
羽村「(前に出て)……別にいいけど」
夏「(実行委員A・Bを見て)まだ退学の噂が怖いか?」
実行委員A「(前に出て)そ、それは学園祭とは関係ないから」
実行委員B「(前に出て)う、うん」
――残りの実行委員も前に出てみんなで円陣を組む。
静かに見守る峰山先生。
夏「明日は高校最後の学園祭だ!! 絶対に成功させるぞ!!」
みんな「おー!!」
――夕焼けを写す。
解散する峰山先生と実行委員たち。
夏「さてと、音葉に連絡するか」
と、校門前でメールを打って。
――稲穂との会話で盛り上がる音葉。
夏のメールに気付かない。
夏「あれ? 返ってこないな……。ハルなら……」
と、メールを打って。
春香「(酔って)家の手伝い手伝いってうるさいのなんの!! 知恵姉おかわりー!!」
加奈「ハ、ハルちゃん、アイスミルクで酔っ払わないで下さい!!」
――酔っ払っている春香。
夏のメールに気付かない。
夏「(スマホを指で叩きながら)あー、もう!!」
× × ×
加奈の電話着信音。
加奈「(出て)あ、お疲れ様です夏先輩。今ですか? 喫茶店ノックです」




