第八話 018
○同・ビーチ真ん中~駐車場(19時)
砂浜から夜空や海中に向かって打ち上げられる花火が、周囲を明るく照らす。
夏「おっ!! 始まった!!」
と、砂浜に立っている夏・音葉・春香・加奈・望美・知恵・湖太郎。
湖太郎「ん夏ちゃーん!! 僕と一緒に――」
春香「太郎ちゃん!! 知恵姉とかなちゃん、望美もちょっと来て!!」
と、湖太郎を引っ張りながら、夏と音葉から離れていく。
夏「何だよお前ら!? どこいくんだよ!?」
春香「いいから!! なっちゃんは音葉ちゃんと一緒に花火を見てて!!」
夏「……なんだそれ?」
音葉「うふふ」
× × ×
春香「こっちの方が見やすいから、ここで見るよみんな!!」
と、夏たちから離れたところに座って。
――みんなも並んで座る。
加奈「(春香の隣から)いきなりどうしたんですか?」
春香「ハル、馬鹿だけど分かってるんだ。音葉ちゃんだけには敵わないって……だから二人を応援したい」
加奈「……ハルちゃん」
と、軽くため息をついて。
加奈「敵うとか敵わないとか、誰かと比べなくてもいいと思いますよ?」
「だって私たちみんな、夏先輩の友達なんですから」
「(微笑んで)色んなことを気にしないハルちゃんが、ハルちゃんの良さだと私は思ってます」
春香「……そだね。ありがとうかなちゃん!!」
――花火が上がる。
春香「(ウルッとしながら)たーまやー!!」
――加奈、春香を優しく見つめて前を向く。
加奈「たーまやー!!」
望美「(加奈の隣で)たーまやー!!」
知恵「(隣の湖太郎の頭に手を置いて)たーまやー!!」
湖太郎「(泣きながら)たーまやー!!」
× × ×
ビーチの駐車場、GKWの運転席から体を乗り出し、花火を見つめる拓蔵。
――横に2つ大きく上がった花火を見て。
拓蔵「おーっぱーい!!」




