第八話 017
○同・イベント会場
サイリウムで応援する望美たちや他のファン。
ファン以外は複雑な表情。
――高丘、その様子を見て。
高丘М「(歌いながら)大丈夫!! 自分を信じれば……きっと大丈夫!!」
――演奏が終わる。
少しの静寂からの大歓声。
観客から「可愛いー!!」「頑張れよー!!」の声。
現場監督「これは……視聴率いただいたぞおおお!!」
× × ×
司会「えー、この後19時から花火大会もありますので、みなさんごゆっくりお楽しみください」
――はける観客たち。
夏「花火かー……高1の夏休みは、音葉とニ人で花火大会に行ったっけ?」
音葉「そうそう。人がいっぱいではぐれないようにって、ずっと手を繋いでたよね?」
夏「へへっ、今日は大丈夫そうだな?」
音葉「うん」
――夏と音葉を見つめる春香。
高丘「立花さん!!」
と、女装姿の高丘とマネージャー。
高丘「今日は色々とありがとう」
夏「いやいや、ウチも『ファンも認めたんだから行けるよ』なんて、無責任なことを言ってごめん」
高丘「ううん。編集長に突っかかる立花さんを見て、僕も勇気をもらえたんだ」
「今の場所から落ちるのを怖がっていないで、どうせなら自分からやってやろうって」
「(ウインク)一度死にかけた身だもんね?」
夏「へへっ、そっか」
高丘「いろいろ悩んだけど、(笑顔で)結果的にカミングアウトして良かった!!」
夏「(笑顔で)高丘っちが納得したならそれでいいや!!」
マネージャー「立花さん、一度だけでなく二度も景を助けて下さり、ありがとうございました!!」
「何か力になれることがあれば、景を連れていつでも協力します!!」
と、名刺を差し出す。
夏「(受け取って)いえいえ、これからも頑張って下さい!!」




