第八話 015
○同・イベント会場~ユニットハウス前(18時頃)
太鼓の演奏が終わる。
――ライトアップされた会場。
加奈「(チラシを見て)次がいよいよ高丘さんのライブですね!?」
夏「あれ? おじさんは? さっきまでいたよな?」
春香「車で寝るって『GKW』に戻っていったよー?」
夏「あはは……」
望美「はいみんな!! これつけて!!」
と、鞄からサイリウムを次々に取り出して。
音葉「わー、綺麗ー」
加奈「確かこうやって指の間に挟んで持つんですよ」
春香「腕にも巻けるんだ―?」
望美「(取り出しながら)いろんな種類があるから!!」
夏「望美お前、何でこんなの持ってたの?」
望美「夜につけたら綺麗かなー? と思って持ってきたの。まさかこんなところで役に立つとは思わなかったけど」
湖太郎「んーん!! サイリウムを持つ夏ちゃんは、まるでホタルの――」
夏「何ならお尻に刺そうか?」
と、サイリウムを向けて。
素早く首を横に振る湖太郎。
望美「はい!! 湖太郎さんは全身に付けれるだけ付けて!!」
湖太郎「ええっ!?」
――全身にサイリウムを巻いた湖太郎。
かろうじて目元だけに隙間。
湖太郎「どう夏ちゃん!? 僕いま輝いてる!?」
夏「おう!! 最高に輝いてるぞ!!」
× × ×
現場監督「会場の皆さん、この後のライブはテレビで生中継されますので、粗相のないようにお願いします」
と、マイクで挨拶。
夏「(神妙な面持ちで)どうする高丘っち……変わるか、変わらないか」
と、ユニットハウスを見つめて。




