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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第八話 『海水浴』
130/206

第八話 014

○同・イベント会場~ユニットハウス前(17時45分頃)

   ステージには『白浜大海原の祭典』と書かれた垂れ幕。

   ステージ上では和太鼓の演奏。

   ステージ下、観客スペースの最前列で立って見ている夏たち。拓蔵もいる。

   ――ステージ横にはユニットハウス。

   ユニットハウス前に待機するマネージャーに、声をかける悪徳編集長。

悪徳編集長「マネージャーさん、もう時間ですよ? これ以上は待てません」

 「1000万円で買い取ってもらえますか?」

マネージャー「一千って!? 話が違うじゃないですか!! 買い取り金額は100万だったはず……」

悪徳編集長「あら、何を言ってるの? うちは印刷ギリッギリまで待ってあげたのよ?」

 「(笑いながら顔を近づけて)対価がつくくらい当然でしょう?」

マネージャー「くっ、……うちは……払いません」

悪徳編集長「はい? 太鼓の音でよく聞き取れなかったわ? もう一度言ってちょうだい?」

マネージャー「うちはあなたに、お金を払う気など全くありません!!」

 「――お引き取り願います」

悪徳編集長「あらそう? バカバカしい」

 「折角こっちから手を差し伸べてあげたのに……これで高丘のイメージダウンは必須よ!?」

   ――爪先立ちでマネージャーを見上げる編集長。

悪徳編集長「子どもじゃあるまいし……強がりもほどほどにしなさい!! いまさらアンタたちに何ができるっていうの!?」

マネージャー「私は景を信じています」

悪徳編集長「はい?」

マネージャー「たとえ雑誌が発売されて、女装趣味が明るみに出たとしても……彼ならきっと乗り切ってくれます!!」

 「どうぞお引き取り下さい!!」

悪徳編集長「あーあ、もう知らない知らない!!」

   と、振り返って。

悪徳編集長「(電話して)もしもーし、あたし。校了よ!! そんな胸くそ悪いもの、さっさと印刷しちゃって!!」

 「そうよ!! フル回転よ、フル回転!!」

   ――うつむくマネージャー。

悪徳編集長「……さてと、あたしは隅っこで静かに見学させてもらいますね? 高丘君の最後のライブを」

   と、観客スペースの端へ向かう。

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