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ウチと彼女の約束事  作者: 畦道テツ
第一話 『ウチと彼女の約束事』
13/206

第一話 013

○河口湖天上山公園ガチガチ山ロープウェイ・全景~建物内~チケット売り場

   下手に河口湖、上手に天上山へ登れるロープウェイがある。

夏「よーし着いたぞー」

加奈「(ゴンドラを見上げて)わー!! あれで展望台まで!?」

春香「何度きてもワクワクしちゃうなー」

   ウサギとタヌキのキャラクターを、大きくあしらった建物。

   ――階段を上がる三人。

夏の母「あら、夏がここに来るなんて珍しい」

   と、チケット売り場から。夏の母(43)。

春香「おばちゃんこんにちはー」

夏の母「ハルちゃんこんにちは」

春香「(加奈を見て)なっちゃんのお母さんだよ」

加奈「秋園 加奈です!! こんにちは!!」

夏の母「あらー、新しいお友達ー? こんにちは」

 「はい夏、もう克服したの?」

   と、往復チケットを三枚渡して。

夏「んなわけないだろ……」


○同・稼働中のゴンドラ内

   大人が15名ほど乗れるゴンドラ。

春香「あれが河口湖大橋で奥に見えるのが破風山」

   と、加奈に案内している。他の乗客はいない。

加奈「わー、綺麗なコントラストですねー!!」

 「それにしても夏先輩、どうしたんだろう? 急に黙り込んじゃって……」

   ――二人と反対側の席、うつむいて座る夏。

   魂が抜け、白くなっている。

春香「なっちゃんは高いとこ苦手だからねー」

加奈「ええっ!?」

春香「だからこの場所くるのに渋ってたみたい」

加奈「……そうだったんですか」

春香「よーし!! ここは一つ、なっちゃんの元気を取り戻すかー!!」

 「なっちゃーん、こうやると楽しいよ!? ロープウェイが揺れて」

   と、ピョンピョン跳ねる。

   ――ドーン!! と音がする。

   白い夏と向かい合い、背筋を伸ばして座る、冷や汗の二人。

   夏のすぐ横の壁が少し凹み、煙が出ている。

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