第八話 013
○同・サーフィンエリア
――サーフィンを楽しむ知恵。
夏「知恵姉ー!!」
湖太郎「おーい!! 姉ちゃーん!! お昼ー!!」
と、知恵に向かって。
――手を振る知恵。
× × ×
知恵「わざわざごめんねー、つい夢中になっちゃって」
夏「何回も電話したのに」
知恵「ごめんごめん」
「ちょっとこれ返しにいくね?」
と、サーフボードを見せて。
○同・お店への道中~店内~ビーチ真ん中への道中。
夏「知恵姉、大人って何だろう?」
と、三人並んで歩きながら。真ん中に夏。
知恵「んー、自分の言動や行動に責任を持つこと、それが大人かな?」
夏「なるほど」
湖太郎「(泣きながら)夏ちゃんそれさっき僕も言った……」
× × ×
知恵「こうやって休日に好きなだけ遊べるのも大人の特権だし」
と、カウンターで店員にボードを返す。
知恵「でもね、その分仕事の時は我慢しなければいけない事も沢山あるし」
カウンターを背にする三人に「ありがとうございましたー」とお辞儀する店員。
× × ×
夏「そっか……。夢ってさ、大人からしたら、やっぱ綺麗事に聞こえるのかな?」
と、ビーチ真ん中へ向かいながら。
知恵「んー、例えばどんなに小さなことでも、夢を持った方が楽しいじゃない?」
夏「うん」
知恵「だからその人の気持ち次第かな?」
夏「なるほど……」
知恵「夢を追う人も、夢を諦めた人も、自分が納得していればそれでいいと思う」
夏「……分かった。ありがとう知恵姉!!」
湖太郎「僕はまだ夏ちゃんを諦めてないよーん」
と、夏に飛びつこうとする。
知恵「(笑顔で)でも一方的な考えの押しつけはダメかな……」
夏「それ……すっごく分かります」
と、湖太郎をガードしながら。
○同・ビーチ真ん中(昼~午後~夕)
[以下、動きのみで]
レジャーシートでお昼ご飯を食べる夏・音葉・春香・加奈・望美・知恵・湖太郎。
フランクフルトを片手で食べながら、双眼鏡で覗き歩く拓蔵。
――午後から知恵も含めて6人で遊ぶ女子たち。
ビーチバレー、砂山作り、浮き輪でぷかぷか。
――日が傾く。
湖太郎が手に持った腕時計を指して、みんなに時間を知らせる。




