第八話 004
――砂浜にレジャーシートを敷いて座っている湖太郎。
周りにはみんなの荷物。
湖太郎「なになに……17時半からイベントがあって……」
と、イベントのチラシを見つめる湖太郎。
チラシには『白浜大海原の祭典』の文字。
湖太郎「おっ、19時から花火大会もあるんだ!?」
「(ニヤニヤ)夏ちゃんと二人っきりで見る花火……」
× × ×
[湖太郎の妄想]
湖太郎「花火が綺麗だね……夏ちゃん」
夏「はい……」
湖太郎「……でも今は、キミの方が輝いてるよ?」
夏「やだ、湖太郎さんったら……」
湖太郎「ん夏ちゃーん」
× × ×
――ガバッと自分の体を抱きしめる。
夏「何が輝いてるって?」
と、目の前に夏の顔。
湖太郎「のわっ!? あ、いや、ほら、今日はイベントがあって、夜には花火が上がるんだって!!」
と、チラシを見せて。
夏「(見ながら)ふーん……」
「あ、悪い湖太郎、ウチの鞄とラッシュガード取って。ジュース買いに行くから」
湖太郎「(夏にすり寄って)何いってるの夏ちゃん、ジュースなら僕が買いに行くよん」
夏「(ガードして)ジャンケンで負けたんだよっ」
× × ×
夏「ったく、夏だと余計に暑苦しい……」
と、財布から千円札を抜き、羽織ったラッシュガードのポケットに入れて。
× × ×
拓蔵「ええのぅええのぅ、海はええのぅ」
と、お姉ちゃんを見渡しながら砂浜を歩く。
拓蔵「(ニヤリ)よし、そろそろ次の作戦に移るか」
× × ×
夏「あれ? 販売機どこだろう……?」
と、周りを見渡しながらビーチ下手へ向かう。
× × ×
拓蔵「お疲れ様です!! 交代の時間です!!」
と、高さ4mの監視タワーの下から監視員に向かって。
監視員「(降りながら)おお、もうそんな時間か。よろしくお願いします」
拓蔵「(敬礼)ラジャ!!」




