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第一話 011
○同・校庭
各クラブが、校庭に長机を並べ、新入生を勧誘している。
「桜餅どうぞー」と、ラップに包んだ桜餅を配る、料理研究部。
その他にも、様々なクラブが並ぶ。
夏「おっせーなあいつら……」
春香「ごめんねなっちゃん!! 学級日誌だすの忘れてたー」
加奈「私も一緒に――」
と、昇降口から走ってきて。
夏「(並んで歩いて)それにしてもまだ募集してんだな?」
春香「毎年恒例、一大イベントの最後のあがきだからねー」
夏「加奈は部活見学に行かないのか?」
加奈「中学では部活漬けの毎日でしたから、高校ではどうしようか迷ってたんですが……」
「でもこうやって、部活より興味を引くお二人と出会えましたからねっ!?」
夏「(片言で肩を震わせて)ヨカッタヨ。イナカトビダシテ、ガンバッテキタカイアッタヨー」
「ウチ、カンドウシタヨー」
と、両手で顔を覆う。
春香「ハルモ、カンチョーシタイヨー」
と、頬を赤らめ、顔を覆う。
加奈「ふええっ!?」