第六話 017
峰山「(泣きながら)良くやった立花ああ!!」
と、アリーナ足下にある小窓から会場を覗き込んで。
× × ×
編集長「最後のサソリ蹴りを見て思い出した……」
記者A「(編集長を見て)え? 手帳じゃなくて?」
編集長「お花見女子のコーチ、彼は全日本を二連覇した立花 恵介だ」
「別名、サソリ蹴りの立花」
記者A「えーっ!? じゃあ立花 夏はその妹!?」
編集長「(歩き出して)これは決勝戦が楽しみだ」
記者A「(追いかけて)あ、ちょっと待ってくださいよ編集長!!」
× × ×
南姉「へー、中々やるやん? 立花はんも」
と、喜ぶお花見部員たちを見て。
柏原「綺麗なサソリ蹴りだったね友やん!? カッコ良かったなー!!」
「立花さんにサイン貰ってこようかなー!?」
南姉「(呆れ顔で)ほんま、アンタとおると調子が狂うわ……」
× × ×
アナウンス「ここで30分の休憩を挟み、女子の決勝戦を行います」
観客A「おいあれ、山梨学園大学じゃねえか!?」
観客B「ホントだ、すっげーオーラ!!」
と、ざわつく観客席。
監督「どうやら決勝には間に合ったようだな?」
――監督に続いて会場入りする、山梨学園大学空手道部の部員たち(男女20人程)。
全員ジャージ姿。鬼島の姿もある。
× × ×
湖太郎「やったねなっちゃん!! ついに決勝戦だよ!?」
と、2Fの観客席で。
夏「(ガードしながら)分ったから離れろって!!」
――周りで休んでいる部員たち。
峰山「河口、昼メシ余ってないか? 飛ばして来たから腹が減って……」
知恵「(笑顔で弁当の残りを見せて)野菜だけなら」
峰山「おおぅ……」
× × ×
恵介「みんなここまでよく戦ったな!?」
レギュラー5人「はい!!」
と、恵介の前に横一列に並びながら。
恵介「それでは決勝戦の出場順位を発表する」
夏「くっ!!」
と、右足首を押さえてしゃがみ込む。
恵介「どうした夏!?」
音葉「まさかさっきの試合で!?」
夏「(しかめっ面で)……大丈夫、大丈夫だ」
と、しゃがんだまま。
――終わり――




