第六話 015
音葉「夏ー!! あと一つ決めるだけよー!!」
春香「頑張れなっちゃーん!!」
加奈「夏先輩!!」
と、全員立ち上がって。
夏の幻影「周りがうるさいけど大丈夫。言ったでしょ? 私があなたを幸せにするって――」
開始位置で輪受けをする夏に向かって話しかける幻影。
北川「くそっ!!」
と、加奈の横で拳を握って。
北川「(下を向いて)あいつをもう一度信じた私が馬鹿だった……」
――心配そうに北川を見る加奈。
湖太郎М「うおおおお!! 今なっちゃんに声をかけなくていつかける!!」
М「男を見せろ湖太郎おおお!!」
「なっ――」
バン!! と会場の扉を開ける峰山先生。
ジャージ姿、手には竹刀。
峰山「立花ああああああ!!」
湖太郎「(振り向いて)え?」
――ざわつく会場。
峰山「お前が暴力事件を起こしたとき、俺はお前に何て言ったあああ!?」
夏「ハッ――」
○夏の回想・お花見女子高等学校・武道場裏(4月・朝)
夏「え……私がやったんですか? 何かの冗談ですよね!?」
――夏(高1)の前にうつ伏せで倒れている鬼島。
しゃがみ込んでいる不良B・C。
夏の横に立つ峰山先生。
ジャージ姿、手には竹刀。
峰山「この状況で何があったかは大体想像できるが、今は動揺していて現実を受け入れられないんだろう……」
と、持っていた竹刀を夏に渡す。
夏「(受け取って)えっ……?」
峰山「いいか、今後の処分も含めて、お前にこれから辛いことが続いたとしても、自分をしっかりと持て」
と、鬼島を背負いながら。
峰山「(夏を見て)自分の信念は一つでいい。その竹刀のように一本だ」
夏の回想終わり。




