第一話 010
○元の屋上のドア前スペース
加奈「……そうだったんですか」
夏「でも約束したからって、誰でも良かったわけじゃないんだ」
「まぁ最初は、助けてくれる優しい人なら、友達になりやすいかなーと思ってたけど」
「あのとき加奈が、勇気を出してウチらの決闘を止めてくれた」
× × ×
[フラッシュ]
加奈「こんな清々しい朝から喧嘩なんてダメですよ!!」
× × ×
夏「あの時の加奈の目、音葉が鬼島を止めた目とそっくりでさ……」
「(神妙な面持ちで)だからウチは加奈と友達になりたいって――」
――夏を優しく見つめる加奈。
夏「……でも虫がよすぎるよな?」
加奈「分かりました」
「私、夏先輩やハルちゃんを見て、学校に迷惑ばかりかけている人だと勘違いしてました」
「……まあ多少はありますが」
春香「えー? ハルもー?」
加奈「でも二人といると、何だか少し楽しいなって思えて……私はその気持ちを大切にしたい!!」
「私でよろしければ、お友達になってください」
と、床に手をつき、お辞儀。
夏「えっ!? いやー、こちらこそよろしく!!」
春香「ははーっ」
と、二人もお辞儀。
春香「でもまだかなちゃん、町を一望できてないよねー?」
夏「(図星)うっ……」
春香「(夏を見て)近くにいいところがあるのにねー?」
加奈「そうなんですか!?」
夏「あーもう!! 分かった分かった!! 腹くくったよ!!」
「(立ち上がって)いくか!! 大切な友達のために!!」
春香「流石なっちゃん!! そうでなくっちゃ」
加奈「ありがとうございます!!」
と、立ち上がって。




